
制作 :STail(公式サイト)
ランク:C
信用という名の架け橋は曝け合った勇気の数だけ強固になる。
※後半ネタバレ有り
攻略順
<実攻略順>
朝姫 → 静乃
<推奨攻略順>
お好きな順番で問題ありません。
感想(概要)
〇終盤特化の構成
終盤まで謎、悩み、ストレスをバラまいて貯め、それらを後半で一気に回収する構成をしています。回収時の勢いは正しく怒涛というべきものであり、熱量が宿っているのを感じました。
×ストレス区間が長い
適度であればスパイスにもなるのでストレス展開自体はありです。ですが本作はその期間が長すぎます。加えて似たような展開も何度があったので水増しに感じてしまいました。
△ギャグのセンスが古い
ギャグから00年代の匂いを感じました。これを”ノスタルジー”と感じるか”加齢臭”と感じるかは人それぞれだと思います。ちなみに私は後者に感じたので若干きつかったです。
まとめ
特化しているだけあって終盤の展開力は見事です。途中まで結構なストレスをかけられるのですが、終わってみるとなんか悪くない気分になっています。
ただそれほどの終盤力もそこまで辿り着かなければ意味がありません。脱落を生みかねない冗長さは悪です。もうちょっと場面の取捨選択を頑張ってコンパクトにしてほしかったですね。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
各キャラクターについて簡単に感想を語っていきます。
■宮道 嘉人

結局のところ本作の主人公である彼をどこまで受け入れられるかが、作品の評価に直結する気がします。ちなみに私は好きじゃないです。
大事な記憶を奪われ、想起することにすら嫌悪感を抱かされた境遇には同情します。ですが事件の手がかりを握りつぶし、自分本位で人を信頼しない彼を好きになることは難しいです。
もちろん最後に自分と静乃に向き合った彼まで否定するつもりはありませんが、それで全部チャラにできるほど私の心は広くないです。
■椿 凛子

可哀そうなイジめられっ子を助ける主人公の構図に違和感がなかったので、chapter-1は全体的にストレスフリーで楽しめて良かったです。神崎の前で自らの名前を誇るシーンは作中屈指の名シーンです。
男受けが良くて女に嫌われそうな感じが凄くするので、キャラデザが良く出来ているなと思いました。その気もないのにふーふーしたりするので無意識で好きにさせちゃった男を量産してると思われます。罪な子だ。
■吉田 駿平

今は絶滅した懐かしきスケベ系親友の皮を被ったジェバンニ。意味がわかないほど有能過ぎる。その上無償の友情までくれる彼の存在はさすが都合良く感じちゃいます。
記憶の失くした嘉人からも駿平になにかしてあげる展開が一つでもあれば大分印象が違ったんですけどね…
■金蘭 咲綾

彼女がいたおかげでchapter-2を乗り越えられたといっても過言ではないです。謎につつまれた諜報員が満を持して盤上に表れる展開っていいですよね…
組織を裏切ってまで主人公を優先してくれる愛情の大きさが凄まじい。控えめに言ってメインヒロイン二人を上回っています。にも拘わらずこの子ために行動したシーンがないで、どうしても主人公が恩知らずに見えてしまいます。
ところで彼女はどこの諜報員だったんでしょうかね。個人的にはこういうことをするのはCIAっぽい気がしますねぇ。
■土筆田 真尋

事件の首謀者を強制されていたのはあまりにも可哀そすぎます。元々ダウナー系なのに茶目っ気がある点が可愛くて好きだったのですが、”守護らねば”感までプラスされたので、無事本作で一番好きなキャラになりました。
実は本作の陰謀論めいた話は結構好きだったりします。最近は現実が舞台だとリアル路線になってしまうので、こういった創作ならではの話はかえって新鮮で楽しめました
■深海 優仁

何度この男に「お前が主人公にならないか?」と思ったか分かりません。クールな外見の内に熱い友情と正義を持ったいい男です。なんで主人公を信頼しているかイマイチ納得できなかったので、その辺りのエピソードがもう少し欲しかったです。
この出来る男が本当にエージェントだった展開も好きです。chapter-2は咲綾、真尋、優仁と思春期の妄想を思い出すような展開を矢継ぎ早にだしてくれるので、文句をいいつつもなんだかんだ好きです。
■浦戸 鈴

ミスリードの役割しかないキャラをつくるのはどうかと思います。こんなしょうもない逆張りをするぐらいなら、彼女も諜報員だった方が百倍マシです。
■桜桃野 朝姫

共感が出来る貴重なキャラでした。誰に出るも好かれようとする偽りの自分から、誇れる自分になるため本音を言えるようになる。この学生らしい成長が丁寧にかかれていたのが非常に良かったです。
恋する姿も可愛くていいんですが、静乃と対立して己を知るという側面の方が大きいですし、どうしても後ろに静乃の影がチラつくので当て馬に見えてしまいます。
といいながらも多分私が主人公の立場だったら多分朝姫選びます。だってこんな可愛い子がストレート好きって言ってくれるんですもん。惚れない方が無理でしょう。
■東雲 静乃

記憶がなくともこの不器用な女を選べる。さんざん罵倒してきましたがこの点は宮道嘉人という主人公を認めざるを得ないです。
二度も裏切った男を心から消せない、どうしようもなく一途で愚かな女ですが彼女はそこがいいのです。強いふりをして弱さを隠す女は愛してやりたくなる。
三度も一から好きになればそれはもう”必然の恋”です。何をしてもうなろうとも嘉人には静乃が必要で、静乃には嘉人が必要。この二人だけにはお互いの存在が信頼になっていると感じました。
道のりは長かったですがそれでも最後にこの二人が笑って共にいる。このラストは好きです。
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