プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

ハピメア REGRET END -Fragmentation Dream- 感想

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制作 :Purple software 
ランク:A 
甘く幸せな悪夢から醒めるために、君に「さよなら」を言う。
※後半ネタバレあり。
ハピメア」有栖ルートの続編です。前作のプレイは必須です。
 

攻略順

<実攻略順>
有子END(海) → 舞亜END → 有子END(True) → 追加シナリオ
 
<推奨攻略順>
有子END(海) → 追加シナリオ → 舞亜END → 有子END(True)
※読後感を考えるとこの順がいいかと思います。
 

感想(概要)

〇有子と舞亜
他のヒロインも個性的ですがこの二人は突出した魅力がありました。二人も記憶に刻まれるキャラクターに出会えることは滅多にありません。良い作品をプレイさせてもらいました。
 
△SF要素が濃い
前作と同じく難解で分かりにくい部分はあるので会わない人は今作も厳しいと思います。私はSF好きなので楽しかったですが、それでも正しく読み解けてる自信は正直ないです。
 
〇作品を完成させる続編
このFDをもって「ハピメア」という作品が完成するといっても過言ではない補完性の高さを誇ります。特に有子END(True)は「ハピメア」の終わりとして非常に美しい着地でした。
 
×エッチシーンが後半に集中し過ぎている
このせいでシーン回収に作業感がありました。「夢」という便利な舞台装置があるのでもう少し散らしてほしかったです。
 

まとめ

作品の雰囲気は五里霧中の独特の感覚があった前作の方が好きですが、ことエンディングに関してはFDの方が好きです。舞亜END、有子END(True)はどちらも美しく仕上がっています。
 
ハピメア本編をSide:有栖とするなら、ハピメアFDはSide:有子と呼ぶべき作品になるかなと思います。本編が気に入ったのなら連続でプレイすることをお勧めします
 
※以下はネタバレ有感想です。
 
 
 
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

有子と各エンディングの感想になります。
 

■鳥海 有子

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前作の夢世界の観測者である黒幕にして本作のメインアクター。”頼られてる”感じが凄まじく守護ってあげたくなる庇護欲を強くそそられます。なにより制服の袖を掴む癖が凄くあざと可愛い。
 
ただ長年病と戦い続け諦めなかった彼女の芯の強さは本物です。時に控えめに、時に力強く、真摯に気持ちを伝えてくれる。そんな彼女の在り様が堪らなく好きで、「ハピメア」でもっとも好きなヒロインになりました。
 

■有子END(海)

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他のエンディングとは違い劇的な幕引きではないですが、約束の海で結ばれ静かに終わる雰囲気が独特で心地良いです。
 
お互いに名前で呼び合ったのが地の文でしか分からないのもいい演出です。静かに夢から醒めていくような感じが、寂寥感に似た何とも言えない余韻を醸し出しています。
 

■おはよう:RE(追加END)

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前作の有栖ENDに繋がるエンディング。追加シナリオは「REGRET END」の意味そのままに「心残り」を清算するシナリオになっています。中でも「おはよう:RE」は仕掛け色々があって特に面白かったです。

有子の「有栖が選ばれなかったら前向きになれないのでは?」という不安についての解答が「その可能性が存在しない」というのは秀逸だと思っています。

「有栖を知っている」という因果が確定しているため、「有子を迎えにいく」という未来に収束する。すべての欠片で有子が存在しているのも解答の裏付けになっていて設定をうまく使うなぁと関心しました。

選択の内容はこのエンディングが一番好きです。「女の子と手を繋いで帰れない」昨日までの後悔(舞亜)ではなく、もう一度会うための明日(有栖)を選ぶ選択。だからこそ有栖との別れの言葉は「さよなら」ではなく「またね」なのですよね。

◇考察:有栖とはなんなのか?
元気な「鳥海有子」という可能性が形を得たモノ。決して虚構の理想ではなく現実に存在しうる可能性です。だからこそ森の出口をくぐり現実に至れたのだと思います。あの森から出られるのは恐らく「生者」だけでしょうから…
 

■舞亜END

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本当にどうしようもないお兄ちゃんなってしまうエンディグ。他ヒロインへのフラグが破壊されていることが、この世界のとり返しのつかなさを物語っています。
 
諦めや寂しさに似た表情を浮かべながら「後は幸せになるしかないじゃない。」と口にする舞亜の姿がやるせないです…
 
誰も幸せになれない選択だからこそ、せめて最愛の兄だけは幸福にしなければ…そう舞亜に思わせてしまうこの選択はやはり間違っていると改めて思わされます。
 
◇考察:舞亜とはなんなのか?
生きている「内藤舞亜」という空想が形を得たモノ。可能性を夢に見て覚えていられる透だからこそ生まれてしまったREGRET。一見有栖と同じ存在に見えますが本質に致命的な差があります
 
有栖は生きている鳥海有子」の可能性そのものですが、舞亜は「内藤舞亜」の可能性ではないです。すでに完了している死者には可能性がないのです。
 
どれほど似ていても舞亜が「内藤舞亜」であることは在り得ない。だからこそ彼女の透への愛は美しいのです。それは「内藤舞亜」ではない舞亜という一つの個の意志なのですから。
 

■有子END(TRUE)

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「ハピメア」という作品の最後に相応しいエンディング。個人的には追加シナリオよりも後にプレイしたかったのでルートロックをかけてほしかったですね。
 
前作ラストは有子を助けるために舞亜に「さよなら」を言いませんでしたが、本作では有子・有栖と共に生きるために舞亜に「さよなら」を言う。この対比があまりにも美しいです。
 
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この言葉を聞いたとき、目から熱いものが零れることを抑えられませんでした。「世話をかけたな…」という思いと「やっと舞亜の願いを叶えられた」という思いで胸がいっぱいでした。
 
その後、透と有栖の一面を持つ有子が幸せに暮らしているのを見れたのが堪らなく嬉しかったです。だってそれはこの三人が本当に幸せになれたことと舞亜の願いが結実した証明なのですから。
 
そして最後に有子が手がけている絵本のタイトルで締め。幕引きとしてこれ以上のない素晴らしい演出です。お見事でした。
 

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