プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

刹那にかける恋はなび 感想

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制作 :CRYSTALiA 
ランク:B 


全てを賭せる刹那に出会えた剣士の生き様。
※後半ネタバレあり。

<実攻略順>
パルヴィ → 小鞠 → 撫子
 
<推奨攻略順>
パルヴィ → 小鞠 → 撫子

感想(概要)

〇恰好いい主人公
己の信念を貫き通すため、守るべきもののため、自分のすべてを賭けて戦うその姿がとても恰好よかったです。ヒロインのためにその身を粉にして戦える漢。そんな主人公が私は大好きです。
 
〇何のために戦うのか
キャラクターそれぞれの「戦う理由」がしっかりと描かれているのがとても好印象でした。己を賭せる刹那のために剣士は全身全霊を賭ける。このテーマがどのルートでも一貫していました。
 
△戦闘演出
斬撃エフェクトやスチルの高速切り替えなど、スピード感あふれるバトル演出は良かったです。ただ試合の流れのパターンが少なかったのは残念です。
 
×試合の構成
何よりも3ラウンド幕間2回というルールがクソです。「インターバルに救われた」この言葉を何回聞いたか分かりません。勝負に水をさされた感じがして何度か興覚めしました。
 

まとめ

剣士の生き様と恋愛要素をいい感じの配分で割り振れているのは今までのシリーズにはない良さでした。”刹那の幸せ”が剣士と恋愛の両方に絡んでいるのも評価の高い点です。
 
一方で描写不足のせいか今一歩足りてない箇所も多々あるので、非常に勿体ないという気持ちにさせられる作品でした。
 
また、本作は刃道のひとつの結論を描いているので、おそらく刃道を中心とした作品の終作なんだろうなと思っています。ですが「剣士」としてはまだ描くべきことがあると思いますので、次作がどうなるのか今から楽しみです。
 
※以下はネタバレ有感想です。またこれまでのKATANAシリーズのネタバレも含みます。
 
 
 
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

■共痛

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アングラな地下闘技場から朱雀院のご令嬢に見染められて夢だった表舞台の大奉演へとデビュー。大まかな流れだけだと安っぽい感じがしますが、展開に嫌みな感じがなく面白かったです。
 
これは撫子の性格がいい方向で作用していました。三顧の礼どころではないしつこさで迫られ、詰めで初乃に現実的な提案をされたとあっては断るほうが不自然というものです。
 
何より決定打が「撫子との試合が楽しかった」というのが良いです。自分の感情に素直に従うなら夢を追う以外の選択肢はない。成り行きではなく自分の意志で選択しているところがいいです。
 

滝川一馬 vs 朱雀院撫子

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本作品を象徴する試合だと思っています。すべての人間は「この時間が永遠に続いてほしい」と思える”刹那の幸せ”のために生きているといっても過言ではありません。
 
しかし勝敗のつく競技でそれを共有するのは簡単ではありません。負ければ当然悔しいですし、勝ちが決まっている試合なんてのはただの作業です。楽しいわけがありません。
 
だからこそ競技で”刹那の幸福”を共有し合えることは貴重なことなのです。お互いに全力で相手を受け止め全力で相手に返す究極の対話。その領域に辿り着けれたのならば勝敗なぞクソほどにどうでもいい。
 
万人に浅く認められるよりただ一人に深く理解される方が余程嬉しい。この試合からはそれが伝わってきました。お見事です。
 

感想(各ルート)

■英・パール・ヴィルヘルミナ(パルヴィ)

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小柄でどことなく浮世離れした見た目なれど受けた恩を決して忘れない義理堅い子。恩義に報いるために信念を貫き通す彼女の在り方はまさしく美徳と呼ぶべきものです。
 
ただ小鞠の名前を頻繁に間違えるのは良くなかったですね…見ていて気持ちよいことではないのでこの設定は無しにしてほしかったです。
 
恋愛描写は少ないですが、自分の感情に鈍い二人を周り(だいたい小鞠)が手助けするのがちょっと楽しかったです。付き合った後も心地良い落ち着いた距離感なのも良かったです。
 
このルートのテーマは「未来を捨てでも大切な者のために全てを賭す」かなと思います。尺不足は正直感じましたがそれでも一番好きなルートです。
 

vs白銀 メイ

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まさか早々にメイ師匠が立ちふさがるとは思わなかったので驚きました。「封神演義」「如律審神」とバグとしか思えない技のオンパレードで楽しかったです。
 
ただ後のことを考えると「封神演義」で決着の方が良かったなと思います。豊受姫神の神格(多分シリーズ中最高)と化妖に対する天呪剥奪なら理由付けとしては十分だと思うのですけどね…
 

vs英 いぶき

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キャラクターとしてはかなり気に入っています。毎試合吐くほどのプレッシャーに五年間も晒されながらも王座を死守したその実力は天晴と言わざるをえません。
 
試合はいぶきの「見鬼」を解禁してほしかったなと思います。「見鬼」同士の対話とか面白そうです。ただ「如律審神」の供物は本当に間違いのない展開で良かったです。
 
試合後のバーベキューで仲睦まじく会話する英姉妹を見て心の底から良かったと思えました。この光景を見られただけでこのルートに十二分の価値があります。
 

■滝川 小鞠

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家事万能でも思いやりもある出来た妹。チーム白狼は他のメンツが狂ってるので隠れがちですが、この上プロの介添人が出来る彼女も超有能です。加えておっぱいが大きい。無敵か?
 
このシリーズはどうしても剣士が多くなってしまうので、小鞠のような霊装を作りたいという技術屋としての展開は新鮮で良かったです。作った霊装が対九曜の着火剤にされたのは残念でしたが…
 
実妹ヒロインならではの葛藤が兄妹両視点で描かれていたのが良かったです。好き同士なのにお互いを思って遠慮する展開はいいです。貯めた感情が爆発する様はいつ見てもいい…
 
「未来のために剣士としての自分を終わりにする」というこのルートのテーマは、刹那ではなく未来を選ぶという他のルートとの対比が奇麗で気に入っているのですが、それだけに後半の展開の雑さが勿体ないです。
 
 

vs柳生 クロメ

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正直なところ期待していなかったのですが魔眼がかなり強くて面白かったです。この能力なら確かにカウンター狙いが適していますね。
 
それでも”自分で”勝つために前に出てしまう彼女の性格はらしくて好きです。戦い方を選べる彼女はきっと強くなれます。
 

vs伊庭神 九曜

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クレーバーな闇の人間と思わせて、どこぞの三女と同じく“死に様コンプレックス”を拗らせてるという情報をいきなり出すのは正直ついていけなかったです。

サロメ戦から展開が急すぎるので、父親の件と合わせて九曜の掘り下げとか入れてくれれば戦う理由もできて良かったと思うのですけどね…流石に霊装を破る展開はIQを落し過ぎです。

実は配下の人間に慕われる今に居心地の良さを感じているセンチメンタルな人というのは良い設定だと思うので、掘り下げがキチンとされていればもっとルートが良くなったと思います。

■朱雀院 撫子

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「楽しんでいるやつが一番強い」とはよく聞く言葉ですが、これ以上彼女を表す言葉はないでしょう。どこまでも刃道が好きですべての敵を愛せる刃道の到達者
 
猪突猛進ガールでありながら令嬢らしい上品さも併せ持つ欲張りセットなヒロイン。我儘なところも本人のポンコツさと初乃のツッコミでバランスが取れているのは流石のキャラデザインです。
 
個人的に正胤パパがゲロ甘なことに驚きました。まぁ妻と三女が自由人過ぎて家をでちゃった状態で、撫子までどっかいったら心を折れるので気持ちは分かりますよ。いや本当に。
 

<独立独行の真意>

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朱雀院四姉妹の中で唯一独立独行を自己解釈していましたがこの解釈は真意だと思っています。というか聞いたとき凄く腑に落ちました。
 
剣士にとって最も大切なのは戦う理由を知ることです。その理由を見つけられるまで一人でやりなさいという教えであれば理解できます。勝負事というのは意志力の強さが最後にものを言いますからね。
 

vs渋沢 ニーナ

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紅月伝説の裏で泣いていた数多の人間の一人。初代篁組は半分くらい人やめてる激ヤバ集団なのでそりゃこういう人もいますよね。それでも腐らず研鑽し番付まで来たのは大したものです。
 
ところで彼女は歌うと完全に登場人物になりきるという特技(公式キャラ紹介参照)があるらしいのですが、その説明を見た記憶がないんですよね。(多分パルヴィのリベンジ戦で説明する予定だったんだろうな…)
 

vs九鬼 旭

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ファンサービスの化身。雪月花流、フライング・リリィ、燕返しと“初代篁組の絆”を見せられては流石に心が踊ってしまいますね。そしてキッチリと天元斎明流も見せてくれる。素晴らしいファンサに感激しました。
 
これは勝手な妄想ですが、彼女が朱雀院を敵視している言葉を口にしたのは、紅葉に勝てなかった後悔が一割、挑発一割、憧れのプロの世界がクソつまらない八つ当たりが八割かなと思っています。
 
ところで彼女はプロ3年目らしいですが、撫子と入れ替わりで卒業していま撫子は2年生なんですよね…1年どっから生えたんでしょうかね?本作はこういうくだらないミスが多いのが良くない。
 

<無上の刹那>

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限界を超えている状態で精神感応係数が上がり続ける撫子と撃ち合えるのは流石に違和感を感じざるをえませんでした。この辺りは持て余していた「絶界神渡」を上手いこと使ってほしかったです。
 
ですが撫子の固有天呪「愛染応報」は素晴らしかったです。生涯でただ一人の相手にだけ本気になれるまさしく愛の炎。本来見えないはずの人にまで見えるのは、自分の愛に恥じることなど何もないという彼女の強固な意志を感じます。
 
それほどの愛に応えられるのであれば「この刹那には命を捧ぐ価値ある」そう思えるのも頷けます。最愛の人の愛に応えるというこの上ない綺麗な終わりを迎えられる彼が少し羨ましくあります
 

<人の営み>

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まぁもっとも人ってのは意外と死なないんですけどね。生還できたのは科学+祈りが大きいのは勿論ですが、素晴らしい演武を披露したから神様がご褒美くれたというのもあるのかなと思っています。その方が浪漫があっていいと思いませんか?
 
しかし”至上の刹那”を超えるためにすることが子作りとは…どれだけ無茶苦茶に見えても人の愛の物語なんですよね。最後に「人の営み」に帰結するこの結末はすごく綺麗で好きです。

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