プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

プリマドール 無名典礼 感想

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制作 :Key 
ランク:A 
ある少女人形のみが知る名も無き英雄の記録。
※後半ネタバレあり。

はじめに

アニメ「プリマドール」の前日譚です。未視聴でも楽しめますが、その場合はプレイ後にアニメ(特に3話)を見ることを推奨します。
 

攻略順

ありません1本道です。

感想(概要)

〇地獄と呼ぶに相応しい舞台
まず戦場の地獄濃度の高さに驚かされました。瞬時に肉塊になる同僚、正気を保つための薬、いつ襲ってくるか分からない機械兵。戦場スペクタクルとしてみても本作はいい線をいっています。
 
〇際立つ主演のコントラスト
機械のような人である無名と人のような人形の箒星。対称的なこの一人と一体が心を通わせる様が丁寧に描かれていたことがとても良かったです。「人と人形は友である」というメッセージの説得力が増していました。
 

まとめ

箒星の温かさを受けて変化していく、無名の心情描写がとても丁寧でした。機械人形との戦闘も緊迫感があって読みごたえも十分な非常に満足した作品です。いまから三作目の「皇都探偵」も楽しみです。
 
また本作は単体でも楽しめるので、アンドロイド系に興味があればオススメできる一品です。
 
※以下はアニメおよび本作のネタバレ有感想です。
 
 
 
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

■箒星

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アニメよりもおっとりした雰囲気を感じましたが、大切なものを見失わない芯の強さを持つ強い人形です。とはいえ彼女の最大の魅力は「家庭的な温かさ」に他なりません。

“母性”、”温かい食事”、”子守歌”。そのどれもが戦場においては非日常となるものです。それを与えられる箒星が共に存在してくれることは、この上のない救いであり幸運でしょう。

戦場にない「日常」を分け隔てなく与えてくれる。数ある自律人形の中でも彼女ほど人の役に立ってきた人形はそうはいないでしょう。

■人と人形の差異

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本作においてなにより素晴らしかったのは、人間と人形が違う存在であることを示しながら、それでも助け合えることが事細かく描写されている点です。
 
実は本作をやるまで私は人と人形の違いの無さに着目していました。しかしそうではなく両者には決定的な違いがありました。それが「死への恐怖」です。
 
機械のように冷徹に振る舞う無名も常に「死への恐怖」を感じていました。ですが穏やかでのん気ですらある箒星は、ただの一度も「死への恐怖」を感じていません。
 
人である限り「死への恐怖」は克服不可能です。故にこの差は絶対な種の差になります。ここでようやく「プリマドールは人と人形の物語」であるということを理解できた気がします。
 

■人の友たる自律人形

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ですがそれは友になるための障害にはなりません。そもそも人であることは友の条件ではありません。大切なのはお互いに支え合えるかどうかです。
  •  ”温かく包み込み寝かせてくれる”
  •  ”温かな料理を振る舞ってくれる”
  •  ”自分を覚えようとしてくれる”
  •  ”自分のために泣いてくれる”
これらは全て箒星が無名を支えるために起こした行動です。無名にとってこれが十分すぎるほどの支えであることは疑う余地もありません。
 
だからこそ彼女は紛れもなく「人の役に立つ自律人形」…つらいときに寄り添ってくれる「人の友」なのです。
 

■無名

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この世界によくいる一人なのかもしれませんが、彼の人生は凄惨を極めています。それでも今際の際に「複雑な人生は豊である」ということに気づけ穏やかに逝けた彼の最期は決して不幸ではないはずです。
 
そして彼をそこまで導いたのは彼を温かく癒した箒星です。だからこそ彼の本当の名前を知るのは彼女だけでいい。彼が心を許した友は彼女だけなのですから読み手にそれを知る権利はありません。そこを間違えないお見事な締めです。
 
最後に、彼が命をかけて託した”虎”が、どんな形で世界のためになるのか今から楽しみにしています。
 

考察

■自律人形にとっての記憶

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正直なところ人型にキチンとした理由があっただけでも驚きだった私にとって、「少女型でなければ自律人形が不満を漏らす」という情報は爆弾も同然でした。
 
即ちこれは指揮能力のほかに感情も桜花型から受け継いでいることになります。そうなってくると人形はDNAのような形で感情を遺伝させられると解釈も可能です。これは夢が膨らみますね!
 
そうであるなら初期化でも消せない記憶があるのにも理屈がつきます。デフォルトの機能である指揮能力同様、記憶を超え機能となったと考えれば、初期化しても消えないのはある種の道理です。
 
これなら灰桜も桜花をベースにしているから「指揮能力が遺伝された」で説明がつきます。
 
後は鴉羽、箒星に共通する「論理機関の不具合」も気になりますが、これは三作目をやってから判断したいですね…何にせよいまから楽しみです。

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