プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

スカイコード 感想

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制作 :MELLOW 
ランク:C 
「希死念慮」と「超常の力」に振り回される若者たちの悲劇。
※後半ネタバレあり。
<実攻略順>
あめ → シンジュ → 天使
※いわゆる脱落形式です。
 
<推奨攻略順>
あめ → シンジュ → 天使

感想(概要)

〇作風にマッチした絵柄と演出
この美しくも儚さを宿す感じが、本作の雰囲気にぴったりと絶妙にマッチしています。演出面も重要なシーンが印象に残るように演出をかけているのも好感触です。
 
△テーマ「希死念慮」
特殊な作風だったので、このテーマを元に描かれていたのは間違いないです。暗くカタルシスを得にくい作風に仕上がっているので人を選ぶと思います。「刺さる人には刺さる」というやつかもしれません。
 
×描写不足
ほとんどのキャラクターの描写が足りていません。ただでさえ共感することが難しいテーマなのに、キャラクターの思考が分からないので理解・共感といったことがほぼできませんでした。
 

まとめ

この作品は私の趣味から外れています。報われるべきものが報われず、裁かれるべきものが裁かれない世界はクソです。ただそういう作品を否定するつもりはありません。そういう世界でしか描けないものもあるでしょうから。
 
私なり各キャラクターの思考を解体し考察しましたが、どれだけ考えても描写不足が致命的という結論しか得られませんでした。結局本作が伝えたかったことを理解できなかったです。ただキャラクターの思考を追うのは楽しめました。
 
※以下はネタバレ有感想です。
 
 
 
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

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本作で一番面白かったのはOP前です。道を外れた本来出会わない者どうしが、天使の羽根で繋がり友となる。それは普通とは違う形かもしれませんが、そこには紛れもなく青春の輝きがありました。
 
ただOP後は爆速で人が死んでいきます。さらに大概のキャラクターは描写不足で理解するのが難しいです。(ただしシンジュは例外的に描写が豊富なので理解できます)
 
多分本作が言いたかったことは「希死念慮を治すには本当の自分を知る必要がある」な気がします。しかし「どうすればいいか」という部分が描かれていないように感じましたので、あっている自信がまるでありません。
 
ただそれで終わりってのは感想として味気ないので、私なりの各キャラの考察を以下に載せます。
 

感想・考察(主要キャラ)

■藍陽 ユキ

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<本当の願い>

断定されていませんが「八雲あめのように自由に振る舞う」ことだと思います。「憧れていた」と本人も言ってますし、「水鏡」の能力も合わせて考えると、姉への恋慕よりしっくりきます。
 

<死因>

彼はその年にしては出来すぎなぐらい気配りが上手すぎます。他人を踏みにじって我儘を通すような真似はしていません。自分の都合を通す時も必ずケアをしています。
他者を顧みない「身勝手」な生き様に憧れながら、そんな風に生きられない。今までの自分という善を否定したくない。そのどうしようもない「自己矛盾」が彼を空に誘ったのではないでしょうか。
 

<所感>

ゲームが終わっても何で死んだか分からないくらい難解なキャラです。ただ整理すると身勝手に生きるという悪になれない善人であったことが死因に思えます。救いがないですね。

■八雲 あめ

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<本当の願い>

作中で示された通り「弟への情欲」です。
 

<死の条件>

これも作中で示された通り「弟への情欲」を捨てたことです。付け加えると、ユキの死の喪失を理解できなかったことが「自己矛盾」を加速させ、理解できたころにはその想いに殉じる他なく彼の元へ旅立ちました。
 

<所感>

正直不要なキャラだったと思います。彼女の話はユキの解答のつもりでしょうが、それにしては分かりにく過ぎます。個人的には彼女の尺で明日香、九条を掘り下げてほしかったです。
 

■漆月 雫

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<本当の願い>

作中で示された通り「自分の感情が欲しかった」です。最低でも妹立ち位置が逆だったことがわからないと、気づけないと思いますが、これについては上手いことやったなと思いました。
 
思い返せば梯子への想いを拗らせるまで自分から能力を使っていません。「自分を好きになってほしい」なら、物語開始時点で家族に使ってる筈なので「魅了」がフェイクなのは納得です。
 

<死の条件>

散々暴れてくれたおかけで間違い様がないのは助かります。「他人を操るために魅了する」という「自己矛盾」を乱用すればするほど空に近づきます。作中一の壊れ能力です。
 

<所感>

彼女の終わり方は2種類ありますが、能力も記憶も捨ててやり直すシンジュルートの方が前向きな感じはします。罪を背負う選択は死より苦しい道かもしれませんが、その選択を選べる成長を感じられるのがいいです。
 
ただ個人的には天使ルートの終わり方の方が好みです。夏祭りの告白の雰囲気が良いのと、彼女が本当の願いを口にしているシーンが本作で一番奇麗だと思ったシーンだからです。
 
例えそれが罪の清算という過ちに直結していても、悲しいことに漆月雫という少女の選択としては自然に思えます。最期の送信失敗も含め何とも言えない味わい深さがあるキャラでした。
 

■九条 希望

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<本当の願い>

多分「一人になりたくない」とかそういう系だと思います。生い立ちは作中のキャラクターの中でも悲惨なのですが、なにも描かれていないに等しいので感情移入が不可能です。
 
悪役の悲しき過去をちゃんと描写するのって必要なことなんですね…
 

<死の条件>

空に惹かれる描写がないので不明。
 

<所感>

なんでコイツ許されているのか分かりません。友達が異常なまでの聖人だったことに感謝しろ。やはりこういう手合いが報いを受けない展開は嫌いです。シンプルにストレスなので。
 

■碧星 明日香

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<本当の願い>

なし。
 

<死の条件>

なし。
 

<所感>

先ほどから頻繁に使用している「自己矛盾」というワードは彼女から逆算したものです。彼女だけは一切自分に嘘をついてないんですよね。感情と行動に矛盾がない。ちなみに歪まない理由は聖人以外に答えられません。何この精神力…
 
だから明日香ルートほしかったんですね。こういう人物は思考を明かさないと作品の舞台装置にしか見えないので、ちゃんと掘り下げてほしかったです。
 

■宵宮 梯子

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<本当の願い>

作中で示されている通り「友人の死を願う醜い感情を消したい」ですね。明日香には負けますが九条への憎悪より、醜い感情を友に抱いた自分への嫌悪が勝る辺り、大概な聖人です。
 

<死の条件>

自分以外のものを消すとアウトだと思います。それは本質から外れた「自己矛盾」を産むので。ただ基本的にだれかを消したいと思うような子ではないので、天使に合わなければ基本的に羽根に気づかないんだと思います。
 

<所感>

死にたがりが意外と死ねないのは割とあることですが、改めて考えると筋が通っていて面白いです。

■天使

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非常にビジュアルの完成度が高い。ギリギリいそうな天使感がよく出せている。ルート前半のデートは微笑ましくて心が癒されました。その調子で仲良く九条ぶっ倒してくれないかなと思っていました。
 
なのに天に人格交代はするは、ラスボスは唐突に出てきた歪みの塊だの後半は本当にヒドイ。なにがヒドイって天も歪みの塊もいなくても話が成立するから、雑に描いたことが分かることです。
 
他はギリギリ擁護できますが、天使ルート後半だけは碌にプロットがなかったとしか思えません。

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