7年越しに語られる天才と芸術の物語。
見たかったものと少し違っていたが光る部分も数多ある。
※後半ネタバレ有
見たかったものと少し違っていたが光る部分も数多ある。
※後半ネタバレ有
<実攻略順>
Ⅰ → Ⅱ → Ⅲ(心鈴 → 真琴) → Ⅳ → Ⅴ
Ⅰ → Ⅱ → Ⅲ(心鈴 → 真琴) → Ⅳ → Ⅴ
<推奨攻略順>
実攻略順と同様です。素直にやればこの順番になります。
実攻略順と同様です。素直にやればこの順番になります。
感想(概要)
〇天才に対する解釈
天才という一意の答えがない概念に対してライターなりの解釈を作品に落としんでいることを高く評価したいです。解釈自体も頷けるものがあり読んでいて面白かったです。
天才という一意の答えがない概念に対してライターなりの解釈を作品に落としんでいることを高く評価したいです。解釈自体も頷けるものがあり読んでいて面白かったです。
〇美しい芸術作品のCG群
思わず息を飲んでしまう美しい絵画たちのCGは流石と言わざるを得ません。良くここまでの枚数を揃えたものです。ただ後半になるにつれ数が減っていったのは少し残念でした。
思わず息を飲んでしまう美しい絵画たちのCGは流石と言わざるを得ません。良くここまでの枚数を揃えたものです。ただ後半になるにつれ数が減っていったのは少し残念でした。
×難のあるクライマックス
クライマックスの展開はあまりよろしくなかったです。展開の説得力がなく読んでいて置き去りにされていると感じました。
クライマックスの展開はあまりよろしくなかったです。展開の説得力がなく読んでいて置き去りにされていると感じました。
まとめ
最後のⅤ章が合わなかったのでどうしても評価が落ちます。不遇なキャラクターの多さとサクラノ詩の続編として期待していたものと違うものが出てきたことも不満です。
それで面白いところはいくつもあり、特にⅣ章の出来は気に入っています。少なくとも草薙直哉と夏目圭の物語の着地を見たいのであればやって損はないと思います。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
■Ⅰ章
何より中村 麗華というキャラクターが大変素晴らしい。自らの美意識に則るため愚衆の敵であることを選んだその信念には敬意を評せますし、そのせいで性格が大分終わっているという欠落もまた愛おしい。Ⅴ章まであらゆる章で輝きを放ち続けた本作の個人的MVPです。
■Ⅱ章
大きな動きはなく本筋への仕込みが中心な章ではありますが、詩Ⅵ章ヒロインズに囲まれながら学園生活をエンジョイできるので、本章は癒しという点では他の追随を許しません。
またエピローグで語られた解釈を一番体現している章だと思っています。事実このルートのように芸術はただ楽しさが先行しても良いはずです。
■Ⅲ章
恩田寧と本間心鈴の対決からFIRST展までのくだりは本作でもかなり面白い部分だと思います。憧れの存在と衝突し、弟子となり、そして美<カリス>を宿した作品を生み出す。努力に裏付けられた才能の開花はいつ見てもいいものです。
そうして生み出された絵画「蔵の窓から見た景色」は本作でも屈指の名画だと思います。やはり美しい物語を孕んだ芸術品は格別ですね。
容姿端麗、頭脳明晰、才気煥発でありながら性格も◎で可愛さも損なっていない異次元の存在。「天才は勇気ある才能」という言葉を体現する、本作最大の天才だと思います。才能の源流が忍耐力というのも私好みです。
実は彼女について一番驚いたのは料理だったりします。ワザワザ料理教室に通って京風料理を取得したのは最善を尽くし過ぎていてビビりました。彼女の努力の異常さが分かる一幕です。
シナリオは特筆することはないですが、彼女の可愛さは良く出せていたと思います。普段は冷静沈着ですが焦るとおめめグルグルになるところとか可愛くていいですね。
このルートの主題は中々好きです。やはり天才を語るうえで欠かせないのがその裏にごまんといる挫折した才人達です。才人を語ることで天才との差を表現するのは正直上手い。
“キボウ”に甘んじていた静流と麗華が心鈴に発破をかけられ、満月を目指せるようになったというのがモロにそうですね。恐れずに満月を目指せるかどうか、その勇気だけが天才との差なのでしょう。
ただヒロインがいなくても成り立つのは流石にどうかと思います。裏方すぎてマコちゃんの存在感が後半怪しかったです。
面白さでいえばこの章が一番でした。夭折の天才 夏目圭の閃光のような人生は実に読み応えがありました。正直ここまで圭の評価の高さには疑問がありましたが読んだ後では頷けます。
やはり彼の特筆すべき点は「無知の人」でしょう。ただ一つのもの以外全てを捨てる極技、命を削る覚悟を幼少から持っていたことに戦慄を禁じえません。
恐ろしいとしか言いようがありませんあの向日葵は。「無知の人」が時間圧縮の果てに辿り着いた到達点。それを超えるヴィジョンなどそう見える筈がない。直哉が遠くに感じるのも無理はありません。
ただ芸術家として辿り着いた以上、それ以外の全てを捨ててしまった彼のお話にその先がないのも、また運命かもしれませんね。その意味で夏目圭は天寿を全うしたとすらいえましょう。
■Ⅴ章
究極のところサクラノ刻に私が求めていたものは、直哉を想い美の頂に君臨した稟との因果交流です。そういう点では圭との友情に振り切った本作は私にとって見たかった内容とは違います。ただそれでも、詩Ⅴ章のプールの絵画のような一人ではあり得ぬ共作を見せてくれればそれで良かった。”強き神”と”弱き神”の因果交流の果てに一体どのような美が生まれるか楽しみにしていました。
それなのにあの千年桜の展開は残念としかいいようがありません。というか千年桜周りは何も描かなさすぎです。しかるべき前振りを入れていれば、展開に説得力はもっとあったと思います。
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