共に下校することで、互いを知り仲を深めていく作品。
全体的に高水準だが細部に神が宿らない出来。
※後半ネタバレあり
全体的に高水準だが細部に神が宿らない出来。
※後半ネタバレあり
攻略順
<実攻略順>
陽佳 → つくし → 多乃実 → 雪子 → 茉莉愛
陽佳 → つくし → 多乃実 → 雪子 → 茉莉愛
<推奨攻略順>
陽佳は多乃実より前にすることを推奨。後はお好みの順番でどうぞ。
陽佳は多乃実より前にすることを推奨。後はお好みの順番でどうぞ。
感想(概要)
〇魅力的に感じる距離感の縮まり
どの娘も魅力的で会話が楽しく、距離感が縮まるのが自然に感じられたので、謳い文句にもある「恋のステップアップ」が良く描けていたと思います。また、各ヒロインの性格や主人公に惚れた動機にバックボーンがあるので、ヒロインに共感しやすかったのも良かったです。
〇チョイスする楽しみ
本作のウリであろう下校ルートの選択ですが、適度にゲームをプレイしている感じを与えてくれて良かったです。こういったプレイヤーを飽きさせないようにする工夫は好感が持てます。
また、1ルートクリアするかBADに行くと、自動的に選択してくれるバリアフリーボタンが現れるのも気が利いてます。(後の方のヒロインは大体このボタン押してました)
×細い粗が目立つ
既に聞いたことなのに、初めて聞いた扱いになっていたり、テキストではイヤリングやストラップを付けてる筈なのに画面上にない、といった細かな粗が目立ったのは残念でした。特に後者はそれなりに重要なアイテムとして出てくるため、キチンと反映して欲しかったです。
まとめ
ストレスなくヒロインとイチャラブできる純愛ゲーという、求められていたものに、キッチリと仕上がっていると思います。誇張なくヒロイン5人とも可愛いのは流石です。
ただ、上述のように細かな粗が散見されています。システムの都合上フラグ管理が煩雑になり、手が回らなかったのかもしれませんが、こんなことで評価を落とすのはもったいないので、監修は頑張って欲しいです。
また、あるヒロインの最後の選択肢には驚かされました。失礼ながら、こういったメッセージ性を感じる演出ができるメーカーとは、思っていなかったです。正直好みなので次回作でも入れて欲しいです。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
■長南 陽佳
再会したらギャル化していた昔よく遊んだ幼馴染。クールな見た目ですが面倒見の良い性格なのがいいです。好き。共通の終了時に卑怯なほど魅力的に映るので、最初に彼女を選びがちな気がします。
派手な見た目の変化に最初は戸惑いながらも、接していく内に、優しい本質は変わっていないことに気付く、特に癖に気付いて悩んでることに気付くところは、幼馴染ならではいいです。変化と非変化を上手く使えていると思いました。
彼女の魅力は多々ありますが、一番印象に残っているのは最後の独白ですね。初恋の相手(主人公)がいなくなった、その空虚から逃れれるために変わることそのものが目的だったというのは、インパクトがあります。
想いは風化するものもありますが、主人公との思い出は、彼女の中で残り続けていたのですね。であれば再会し親しくなれば、さらに積み重なった想いが爆ぜ、また恋に堕ちるのは必然とも言えます。
この“2度好きになる”こそが、再会型幼馴染の醍醐味ですね。
■築島 つくし
食べる姿が印象的な引っ込み思案な後輩。リスっぽいは的確な表現だと思う。食べているときの幸せそうな顔を見てると穏やかな気持ちになれます。絶句しているときなんかに、面白い鳴き声を発声するのが、なんか好きです。
引っ込み思案な性格を変えたいというのが彼女のテーマなので、ある意味では最もシンデレラなヒロインかもしれませんね。夜の12時を過ぎた告白といい多少は意識されてそうです。
個人的には初デートのくだりが気に入っています。相手に配慮し過ぎて空回りして上手くいかないのも彼女らしいですし、主人公のフォローが完璧でクソカッコいいです。
嫌われるかもと不安を覚えるのは、裏を返せば信じていない証拠ですからね。どことなく遠慮している風から、わがままを言ってれる関係への変化は、彼女の成長と仲の進展を感じられる綺麗な構成だと思いました。
ただ最後のイヤリングを書かなかったのは、ちょっと理解に苦しみますね。ここ大一番で手を抜くようだと信用を無くしますよ。
■宇佐川 雪子
写真が趣味なすぐにからかってくるノリの良い先輩。先手を取られるとへなちょこになって本音が漏れるのも、あざとくて可愛いです。趣味に対しては真摯なのも個人的に高評価です。そういう人っていいですよね。
グループで一緒の時と二人きりの時で、2種類の顔を楽しめたのが良かったです。本人の臆病故にからかってくる性格も相まって、付き合いたての気恥ずかしさとか、そういう甘酸っぱい感情が一番楽しめたルートでした。
彼女のルートで気に入っているのは告白シーンでしょうか。普段は本音を知られるのを恥ずかしがる彼女ですが、主人公の好意に報いるために、筋を通して答えようとする姿勢が好きです。
ただ、エンディグ後の彼女には不安を覚えますね。浪人するのは仕方ないにしても勉学に励んでいる様子がないので…ダメかな?
■王城 茉莉愛
高嶺の花を体現したかのようなお嬢様。こう見えて剛腕にして大胆。本作の下校というテーマのおかげで、無理なく交流ができるのは上手いですね。趣味はゲームで特撮も好きという我々への「ツボ」を抑えた設定も強力です。
普段の言動、振る舞いはまさにお嬢様といった感じなので、ゲーム、特撮好きが飛び道具にならず、個性になっているのは良かったです。おかげで存分に正統派お嬢様のヒロインパワーを再認識することができました。
初めて合うのが拉致られてなど、明らかに他のルート毛色が違っており、最初はこの目新しさが良かったです。
ただ、他のルートに比べヒロインが主人公に好意を抱く理由が薄く、というか過去にしかないため、なぜここまで好き好き状態か感情移入し難いです。幼馴染ヒロインが持つ問題をそのまま抱えちゃっていますね。
また、母親が出てからの展開は個人的には好きではありません。ヒロインの母親が主人公に恋慕するのは、ギャグといえどもちょっと作風違いで引っかかりました。気になっていたヒロインなだけに残念です。
■田寄 多乃実
運命的にも同じ日に転校してきたクラスメイト。どこか言動に型破りなところがあって、次を予測できない楽しさがあります。本作の一番気に入ったヒロインは彼女です。
基本的にはバカを言い合える親友のようでありながら、時たま不意打ちのように「女」を意識させ、恋人の甘酸っぱさを意識させられる。この2面性を併せ持つ彼女は、個人的な理想のヒロイン像のひとつですらあります。
また、作風を考えれば彼女の生い立ちは浮いているレベルで重いです。1つ間違えれば不要なシリアスの導線になりうるこの要素を上手く調理し、キャラクターの深み変換できていることも、個人的に評価が高い点です。
そして印象深いのはなんといっても、迷子の子であることが明らかになるところですね。全くの考慮外でしたが、最初に出会った場所を考えるとあり得なくはないです。こういう驚きが味わえるとは思っていませんでした。嬉しい悲鳴です。
最後の選択肢について
どちらを選んだか書くのは、感想を書く者の義務だと思ってます。ちなみに私は、悩みに悩んで「ある」を選びました。
幼い頃に「偶然」出会い、成長してから「奇跡」的に同じ場所で再会し、「必然」のように同じクラスに転校し、恋仲になったその縁に名前を付けるなら、それは「運命」と呼ばれるものではないでしょうか。
ただ運命はあくまで積み重ねの結果で、決まったものでは無いと思っています。言葉遊びに過ぎないかもしれませんが信じるものでなく、人と人の縁の積み重ねに、そういう名前が付いているだけ、というのが私の解釈です。
まぁ、この選択肢どちらを選んでも、後の展開に何の影響もないので、運命があろうがなかろうがそれに「意味は無い」のかもしれませんね。もし無意味という意味を持たせる演出なら洒落てます。
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