※後半はネタバレ有
感想(概要)
パッケージの幻想的な雰囲気からは想像できないゴリゴリのSF作品で驚きました。謎の出し方と開示のタイミングが良く、ついつい先にが気になって読んでしまう引力があります。海原先生のねちっこい文章もいい味を出しています。
まとめ
感想(ネタバレ有)
<パヴォーネ×マコー>
<ルク×アルエット>
■3章
<ロビン×キャナリー>
そのせいで「登場人物はホムレムで疑似転生している?」なんて考えていましたが、今思うと見事に誘導かけられてますね。まったく小癪な真似をしてくれます。(誉め言葉)
■4章
<アルヴェラ×アルエット>
衝撃としかいいようがありません。彼女の半生、中央の倫理、歪んだ乙女(ネヴァーメイデン)、そのどれもが驚愕の内容ですが、真に凄まじさを感じたのはアルエットにのみに向けられた”純粋な愛”です。
「私ならむしろ、その死に抗うわね」
この言葉は3章で「大切な人が死んだとき何を思うか?」とパヴォーネに問われたときの言葉です。当初は勝気な彼女らしい言葉ぐらいにしか思っていませんでした。まさかそれがすでに通った道だったとは…
わざわざルクに化けてまでアルエットの真意を引きずりだすその行為そのものが、自分が好きになったアルエットの意志を大切にしている何よりの証拠です。彼女が恋したのは大空を自由に飛ぶ鳥なのですから。(まぁBADENDの人形を愛でる孤独な彼女も趣はありますがね)
他者を顧みない彼女の行為は、褒められたものではないでしょう。それでも愛すべき者の心を何より優先したその在り方を私は否定しません。
<アルエット×ルク>
大いなる乙女(エヴァーメイデン)の役割、プエラリウムの真実については概ね奇麗に着地していると思います。さんざん「肉の子」と蔑んだ自然出生者の方がメイデン適正が高いというのは皮肉が効いていいです。
アルエットの我儘でルクを神にしないというのは人間のエゴを前面に出した良い解答なんですが、それを受けるルクの感情が薄いのがどうしても結末として弱く感じてしまうのですよね。
他の乙女たちは皆すばらしい激情を味わせてくれたのに、最後の最後がこのような薄味では物足りないと感じでしまいます。母親の呪縛から解き放たれ、今までにない感情の爆発を見せてほしかったというのが正直なところですね。
氷の奥底に秘められたアルエットへの愛情はきっと極上の甘露でしょう。是非ともそれを味わいたかったです。
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