制作 :ADELTA
ランク:A
性善説が尊いのではない性善説を信じる心が尊いのだ。
※後半ネタバレ+考察あり。
<実攻略順>有明B → 有明A → 新橋 → 青海
<推奨攻略順>
感想(概要)
〇イベント盛り沢山のクローズドサークル
憎しみ合う参加者たち、矢継ぎ早に起きる事件、伝播する狂気と恐怖。「クローズドサークル」の醍醐味が存分に詰め込まれていて楽しかったです。この手の作品はルート毎にテイストが変わるので飽きがこなくていいですね。
〇キャラクターを際立たせる内面描写
本作は特に「トラウマ」の使い方が素晴らしかったです。「トラウマ」を知ることで、当初は理解できなかったキャラクターの思想・行動が腑に落ちる。点と点が繋がっていく快感がありました。
×システム面の不足
ミステリーにおいてはバッグログジャンプは特に必要です。画像情報も含めた推理が難しいのは手痛い制約でした。その他ではマスターボリュームが調整できないのも不便でした。個別に音量設定しなくちゃいけないのは面倒です。
-BL要素
BLゲーは初めてでしたが嫌悪感はなかったですね。有明くんなんか説得しかなくて自然に感じたぐらいです。ただ興奮もしなかったので、どうも私はヘテロセクシュアルのようです。
久々に推理モノをプレイしましたが面白かったです。作品に翻弄されるこの感覚はいつ味わっても良いものです。
ルート終了後に攻略対象の背景が明らかになるので、謎がスッキリして読後感も良いのもGoodです。とはいっても前編なので今だ中核の謎は霧の中です。
はたして後編はどのような物語になるのか、どのような真相が眠っているのか、今から後編をプレイするのが待ち遠しいです。
そして本作が「人の善性」というものを、とても大切にしてくれることが良く伝わってきました。その意味でもどのような締め方をするのかも楽しみです。
※以下はネタバレ有感想+考察です。
感想(ネタバレ有)
■有明 勝太郎<Bルート>
このルートを最初に固定したのは正解だと思います。とりあえず知りたい有明に関する謎が全部分かりますし、前編ルートの中でもっともインパクトの強いルートですから。
「あなたは僕からキャラメルを奪っていきましたね」
この言葉を聞いたとき思考が止まりました。こんな素晴らしい“チェーホフの銃”で撃たれたのは久々です。その後は幕引きとばかりに宿の生き残りを殺して真相開示。息つく暇もない素晴らしい構成です。
そんな狂った真相でしたが、新木場さんの輸血を受け血の繋がった家族になれる暖かい締めで事件自体の幕は下りるんですよね。人の悪意を全面に出すが、根底で「性善説」を描く。本作のそういうところが私は好きです。
■有明 勝太郎<Aルート>

Bルートだけだと有明という男の善性を見ることができないので、派生があるのは不思議ではないですが、後に解放される方が「A」ルートというのは興味深いですね。
人物情報にもあるように「聖人君子」の姿が彼のベースなのでしょう。ただ「トラウマ」と「愛」次第ではBルートのようになってしまう。「聖人君子」と「弱き人」は両立する。これは今まで持ってなかった視点ですね…面白いです。
■新橋 冥

このルートの目玉は何といっても
円環罪状が11人だったというトリックです。古典ミステリーを謳う以上、11人目が島に存在していてはノックスに怒られてしまいますが、
島に来ていない死者を秘匿するのは確かに何も問題ないですね!これは1本とられました!
前編では大崎と新橋の「信用」を強調する以上の意味はないですが、後編では11人目の参加者である芝浦がどんな役割を持つのか、今から楽しみですよ。これだけの出番で終わらすには大掛かり過ぎますからねこのトリック。
またこのルートのエピローグは特に気に入っています。「人は変われる」という証明に、更生したファンである品川を絡めるこの構成はあまりに美しい。エクセレントという他ありません。
これにより大崎の「正しくなりたいという気持ちを疑ってはいけない」という言葉にも説得力が宿るのもGoodです。
■青海 楓

このルートは
汐留が生存していることもあって、他のルートとは大きく毛色が異なっているので
新鮮な気持ちで読めました。探偵である大崎が
追われる側になる特異なルートを用意できるのも、ノベルゲーム形式ミステリーの強みの一つですね。
表立って動けないせいで青海を「信頼」しなければいけないこのルートは、新橋の「信用」と対比になっていていいですね。実際、青海の推理が外れている記憶がないので読者目線からも「信頼」を勝ち取っているのもニクイです。
一見合理を重んじそうに見える青海の方が「信頼」という非合理を担当するというのも趣深いです。目的も「父の罪」を抹消する「愛」ゆえの行動だったことから、その麗美な容姿と裏腹に、作中でもっとも「愛」に飢えていた男だったのかもしれませんね…
考察
考察1. U.N.オーエン(施主)は豊洲浪蓮なのか?

以下情報により
ほぼ単独犯で確定だと思います。・消去法で電話の破壊ができたのは豊洲のみ
・保有する罪状が殺される危険性の低い日出の罪状
・青海先生がそう言っている(盲目)
考察2. 11人目の芝浦の死は偶然か?
偶然です。さらに豊洲は直前までしらなかったと思っています。御斎の席に宗派の違う陰膳をつくるリスクを犯す理由が施主にはないです。
考察3. 施主の目的はなにか?
順を追って推理を披露します。少し長くなりますよ…
①「ハトサブロー」を知らない

作中の表現から食べ方を議論するのは
「よくある議題」らしいので一般教養だと推測できます。これを踏まえると、世間から切り離された場所で生きていた可能性が高いです。
こう考えると大江島にずっと住んでいたのではないでしょうか?それならば大江島の「穢れた風習」にも詳しい可能性があります。仮定としてこれを汐留が示唆した「食人の風習」だと推測します。
②豊洲「参加者の顔立ちがよく似ている」
大江杏似の女性の写真が青海ルートで発見されたことと無関係だとは思えません。やや突飛ですが大江島には遺伝的性質が強く受け継がれやすい血族がいるのではないでしょうか?
③書簡リスト(1.誕生日)

大江杏が義兄に宛てた手紙であることだけが分かります。彼女の享年は十八で舞台は三回忌。「困ったように笑う顔が好き」な義兄という人物像に最も当てはまるのが豊洲であり、犯行動機に繋がっている可能性が高いと推測します。
まとめ(考察)
大江島出身者は過去の「食人風習」と「遺伝の強さ」から生への倫理観が常人とは異なる人物が生まれやすいと豊洲が誤解しており、大江杏の家族を巻き込む自殺もそのせいだと思い込んでいる。
今回の事件の目的は「大江島の穢れた血の一掃」であり、自身およびも大江島出身の殺人経験者が対象である。
Q.豊洲の誤解とは?
大崎、有明、新橋、青海も倫理観がズレていますが、すべて「トラウマ」による後天的なものです。このズレが後編のキーになると睨んでいます。
コメント
わざと…か分かりませんが(青梅でも振り返ってくれるそうなので)
先生は「あおめ」「おうめ」だと奥多摩方面の山の方です笑
過去にアイドル会場を間違えてしまいライブ不参加になってしまったそうです。
青梅のほうが自分も慣れてるのでしばらく「あおめ」に慣れませんでした笑
「あおみ」です笑 すみません、まだ慣れていないですね……推しなのに……悔しい……
K様コメントありがとうございます。
完全に「梅」と思い込んでおりました…
現在では修正済みになります。ご指摘いただき助かります!