
開発 :metalogiq(公式サイト)
ランク:A
上質な補完とIFストーリーを兼ね備える理想的なFD。
※後半ネタバレ有り
はじめに
「魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis」のFDです。本編のプレイは必須です。
感想(概要)
〇本編補完
補完として大変良かったです。カテドラル創設時や他の特殊戦技兵の話が追加されたことで、作品により深い味わいが生まれています。
〇燃えゲー側面の強化
消耗描写もしっかりありますが、最終的なジャンルを聞かれると、前作とは違い”燃えゲー”になる気はします。特に終盤の展開は心が滾ってしかたなかったです。
まとめ
FDとして非常に満足いく内容でした。特に「アリシャ・オラオンは死んだ」のクオリティは凄まじいです。別視点での特殊戦技兵のお話が描かれたことで、世界観の奥行がグッと深まったように感じます。
強いてい欠点をあげるのであれば、キレイに終わりすぎていてるので、他の特殊戦技兵の話を見たくても望み薄なのが残念といえば残念です。
それくらい「やりきった」FDですので、本編が気に入ったのなら是非とも連続でプレイすることをお勧めします。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
■名探偵は推理しない

シリアスなことをしていたキャラ達が、ギャグやってるのが妙にツボに入って爆笑していました。不思議と男キャラの方が印象に残っています。
どのエピソードよりも楽しそうなブラカーシ博士が特に好き。少年の心を忘れないマッドサイエンティスト感が最高にマッチしています。
■アリシャ・オラオンは死んだ

アリシャとキバキ。二人の友情はG14の仲良しな友情とは別の良さがありました。
たまに出会ってタバコを吸いながらお互いの身の上を語る。ただそれだけのことであっても、お互いにかけがえのない時間となっている。心の機微の描き方がとても良かったです。
特に印象に残っているには、アリシャが煙で輪を作れて嬉しそうにしているシーンですね。ささいな仕草が好意に繋がっている感じが良いです。
G02

アビゲイルと林万姫もこのエピソードで欠かせない存在です。というかG02壊滅のシーンは本編のどのシーンよりも泣きました。
死んだチームメイトの思惟を感じとれてしまう。知ってしまったが故に理解しなかったことを後悔してしまう。まったく本作らしい悪趣味な趣向ですよ…
「生きている内は一度もアビーなんて呼ばなかったのに…」。こんな風に自傷するアリシャの寂しげな表情が心に沁みます。
■續・月軌道会戦 冥界宙域編
カテドラル創設時の話は単純に読みたかったので嬉しかったです。特にキルケの補完として良く出来ていました。
キルケ・ベルンハルト

間違いなく加害者なんですが、劣等感を拗らせている理由は分からなくもないのでどうにも憎めないです。力を自覚した瞬間イキり出すのが実に小心者で可愛い。
要所で絶対に残雪に勝てないところとかもはや愛嬌です。そんな彼女がリゼットの隣を守るために、精一杯頭を使ってたかと思うといじらしくないですか?
悪役なんですが俯瞰してみると大分抜けたところがある。そんな人としての弱さを色々見せてくれるキルケさんのこと、実は結構好きですよ。
■ちいさきものたちのゆめ
冥界宙域内で完結している分Trueと見るにはスケールが縮小していますので、あくまでIFとして見ていますが、特殊戦技兵の集大成ともいえるこの展開は流石に心が滾りました。
リゼット・オーシュロー

圧倒的すぎる故に今まで活躍が制限されていましたが、ようやく”英雄”、”人類の守護者”、”時空震駭存在”と呼ばれるに相応しい、待ち望んだ暴れっぷりを見れて嬉しかったです。
特に光の巨人としてみのりと肩を並べて戦うシーンは、熱い気持ちが抑えられませんでしたね!憧れの人と並び共に戦う。ぶ熱い展開じゃないですか!
ちなみに光の巨人は二体GATTAIが一番カッコよくて好きです。お互いを心から受け入れることで一なるものになる。いいですよね…そういうの…
光の女神

みんなが手を取り合って一つになっていく。その優しき光は生者も死者もなくただ思惟を受け入れる。
キルケが再びリゼットと残雪と手を取り合い。キバキかアリシャと、アリシャがアビーとリンと、残雪が雨桐と再会し合えた。
「消耗」された命はひとつとなくすべての思惟が「尊重」されている。彼女たち皆が報われる。そんな光景を見せられたら泣くしかないじゃないですか…このフィナーレは締めとして申し分ありません。
本編とFD両方楽しませてくれた素晴らしいシリーズでした。「魔法少女消耗戦線」という作品に出会えて良かったです。
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