ありません一本道です。
感想(概要)
〇夢と浪漫に満ちたSF世界観
一作で終わらせるには勿体ない世界観です。感情を持つアンロイド技術、全人類の電子化、幽霊という既知であり未知のエネルギー。どれも美味そうな設定でSF好きとしては涎が垂れてしまいます。
〇幻想的で美しい宇宙の描写
本作で一番魅力を感じたのは杉8先生の背景デザインです。未来の宇宙を見事に表現しきったその画力には脱帽いたしました。中でも”庭園”のデザインは、行ってみたい思わずにはいられない素晴らしいものです。
△コンパクトにまとまったシナリオ
シナリオ自体は人情味のある話で纏まっていると思いますが、この世界感でゴリゴリなSFストーリーでなかったのは少し残念でした。
×主役のアンドロイド二人
私が好きになるアンドロイドとはズレがありましたので、ちょっと興味から外れてしまいました。設定自体はアリだと思いますが、恋路を楽しめなかったのは残念に思います。
まとめ
設定、雰囲気については文句なく素晴らしいものでした。ただお話については目新しいものはありませんでしたし、何より主役に興味を持てなかったの痛かったですね。そのせいであまり好みの作品とは言えません。
しかしこの宇宙の設定は単品で終わらせるには惜しいものです。中でも格段にそそられるのは「人類代表」ですね。できれば彼女の誕生の過程を読んでみたいものです。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
■魂を持つアンドロイドの定義
感想を語る前に私のこの考えを明かにします。簡単に言えば人とみなせるのが魂のあるアンドロイドだと私は思っています。具体的条件は以下の3つです。
【条件】
①喜怒哀楽愛憎を持つこと
②夢(自発的目的)を持つこと
③死の意味を理解すること
以降の感想はこの考えをベースに語っています。また同じことを「終のステラ」の感想でも語っていますので、プレイ済みの方は良ければ見てやってください。(ネタバレ感想ですので未プレイの方はお気を付けを)
■佐藤 姫子(4098号)
ビナーへの愛憎からくる自己矛盾、生まれて間もないダアトと会話し己を知り涙する姿、葬送の鐘への憐憫の情、故郷への郷愁。そのどれもが魂を持つ者の美しい苦悩です。
ですが特筆すべきはやはり終わり方ですね。彼女が「死にたくない」という言葉を漏らしたとき“素晴らしい”と思わずにはいられませんでした。死に恐怖することこそ魂を持つ者である何よりの所作です。
■セフィラ・ダアト、セフィラ・ビナー
“悪”を知りそれに揺れながらも“善”を『選択』するからこそ尊いのです。”善”しか持たないなら”善”に満ちるのは必然。そして揺らぐことないものが人である筈がない。
完全なる善性が嫌いなわけではないですが、弱さがあってこと”善”というのは光るものだと思っています。設定はアリだと思うのですが、どうしても趣味とは離れてしまいますね。
<なぜセフィラは幽霊を見ることが可能なのか?>
これはダアトが葬送の鐘だからだと思っています。この世界の宇宙は時空を認識している四次元なので、時間の可逆が成立し三次元空間ではありえない逆因果が成立しているのです。
我ながらこじ付けにしか見えませんが、思いつく中ではこれが一番マシなんですよね…
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