プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

オトメ世界の歩き方 感想

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制作 :Orthros 
ランク:C 
女装モノでパッケージングした社会風刺爆弾の詰め合わせ。
※後半ネタバレ有。
ありません一本道です。
 

感想(概要)

〇いろんな意味で尖った作品
なんといっても世界観の尖り方が強烈です。フェミニストが多数派となった衰退文明だけでも相当キメた設定なのに、社会風刺、表現の自由、量子AIと他にも設定ドカ盛です。このチャレンジ精神には好感が持てます。
 
△多種多様な社会風刺
ブラックジョークが面白いものもあるのですが、手あたり次第に社会風刺をぶち込んでいるせいで、本当に伝えたいことが何なのかイマイチ分からなかったです。
 
×描写不足の散見
浅く広く話を展開するのもアリだとは思います。ですが多方面で描写不足が目立つのは擁護できません。そのせいで共感も感動も薄かったです。
 
△女性優位のエッチシーン
ムッチリとしていて塗りがエッチで良いです。ただ男性受けのシチュエーションONLYのため私の性癖とはアンマッチでした。
 

まとめ

社会派作品に見えなくもないですが本質はギャグゲーです。社会風刺を使ったブラックジョークに笑いながら、突飛な展開に「!?」する感じで読む方が楽しめると思います。
 
考察しながらプレイするのも否定しませんが、上述したとおり描写不足が顕著のため、想像で補完する必要がでてきます。ちなみに私はこれが結構辛くて中盤で投げそうになりました。
 
好みの設定はいくつかあったので、しっかり描いてくれれば好きになれるポンテシャルはあった作品だったと思います。そう考えると残念でなりません。

※以下はネタバレ有感想です。
 
 
 
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

■序盤(第1章~第4章)

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序盤はこの世界にまだ適合してなかったので、次々にくる過激な展開が楽しかったです。4章ラストまでは男バレもないので、この先どうなるかワクワク感もありました。
 
軍隊ものとしては些かお上品過ぎないか?と思いましたが、逆にアカリ拉致はちょっと引くぐらい下劣だったので、女性社会の特有の怖さが出せているなと思いました。
 
また、政治の代理戦争を学生がやらされているので、この社会の終わっている度はかなり高く感じますね。ディストピア世界としていい感じが出ていて良かったです。
 

■中盤(第5章~第8章)

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率直にいって凄くきつかったです。理由は色々ありますが男女合同作戦の女共の態度が一番ダメでした。設定上そうなるのが自然だと分かっていても、腸が煮えくり返って仕方なかったです。
 
ですがこれワザと嫌悪感を抱かせる作りにしてる気はします。司令に対するルリコの態度も、事前に親だと分かっていれば微笑ましいやりとりに感じたと思います。実際は「囀るなよ小娘が」としか感じませんでしたが…
 
男性側をあえて情けなく描いているのも同様の理由だと思いますが、そのせいで強烈な不快感を覚えましたので、個人的にはこの手法は悪手だったと思います。
 
加えてもう一つ残念だったのが姫乃サキです。あの狂人に人の範疇に収まる悲しき過去があったのは残念でなりません。相容れないナチュラルボーンフェミニストとして倒されてほしかったです。
 

■終盤(RE:第1章~エピローグ)

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リターンオブザワールドで主人公がミク先輩に変わったときは度肝を抜かれました。しかし今までの展開が量子シミュレーションだとしたら、あの荒唐無稽の展開も頷けるので同時にちょっと感心もしました。(まぁ罠でしたけど…)
 
視点が変わったことで新鮮な気持ちになりましたし、何と言ってもミクとシレイの姉妹会話が良かったです。高次の存在である彼女達が「恋って何だろう?」と真剣に考えてる様を見るのが凄く楽しかったです。
 
こういったAIやアンドロイドが恋を知るテーマは大好物なんですが、本作はイマイチ乗れませんでした。多分理由はAIが恋することに何も特別感を感じないことが原因だと思います。
 
そもそも男女恋愛が稀な世界なのでAIの恋の希少性が薄くなってしまい、その恋が特別であるように感じられなかったのが原因だとは思います。人類の希望になりうる恋なのですからもっと感動を感じたかったです。
 

量子コンピューター「マザー」

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作中で描写されていない考察も混じるので、ここからはほぼ私の妄想になりますが、マザーは作中以前から量子シミュレーションを繰り返し、人類にとって最善な未来を選び続けていたと思います。
 
第8章までは現実と「マザー」が名言していますが、その現実を選ぶのに量子シミュレーションをしていないとは言っていません。というかシミュレーションできるならしない理由がありません。
 
そうなると「ガイア」に勝つシミュレーションがないか、「ガイア」優位の状況を維持したほうがいいと「マザー」が結論付けたことになります。そう考えるとかなり人類詰んでそうな世界に感じますね…
 
ですが本作はディストピア世界というジャンルなので、そう言う世界でもおかしくないんですよね。「ガイア」と「マザー」という二つのAIに未来をコントロールされている世界。それは確か人類にとっては紛うことなきディストピアです。
 
だからこそNo.39が恋をするという想定外は、人類にとってとてつもない希望なはずなんですよ。それなのにそんな希望を欠片も感じられませんでしたから、私はこの作品嫌いですよ。

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