プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

アンレス・テルミナリア 感想

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制作 :Whirlpool(公式サイト) 
ランク:C 
運命に翻弄される少年少女達が綴る”優しさ”のお話。
設定もテーマも好きだけど、出している答えが嫌い。
※後半はネタバレ有
<実攻略順>
ルチア → シャロン → りな → 恋 → True
<推奨攻略順>
ルチア → シャロン → りな → 恋 → True
※Trueは恋ルートの続きなので、恋は最後を推奨

感想(概要)

〇絡み合った世界と能力の設定
バトルものなら禁止級の能力ばかりです。それ故に人として生きるのが困難というのは、いい感じに終わってて好きです。それに主人公の忘却設定は大分面白いなと思いました。
 
×共感できるだけの描写がない
上述の通り設定はいいと思うのですが、細部の描写があまりにもされないので、物語に入り込むことができませんでした。
 
×”優しさ”の使い方
“優しい”と評される主人公の”優しさ”を感じることができませんでした。というよりかは、本作は”優しさ”を歪な形で使ってるように感じました。正直今でも不愉快です。
 
〇役割のもてるエッチシーン
どのヒロインも非常にエッチですし、使用目的で考えてもアリよりのアリです。身体的特徴を生かしているのも好ポイント。まみず先生の書く乳首は、相変わらず綺麗に下品でいいですね。
 

まとめ

正直にあらゆる描写が足りていません。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、本作はその真逆を行っているように感じます。語るべきところを語っていない。これでシナリオ重視というのは、ちょっと無理がある気がします。
 
ヒロインは魅力的でエッチですが、彼女たちが惚れた”優しさ”の形を、私は好ましく思っていないので、恋愛ゲーとしてモヤモヤしたものが出てしまったのも、評価が低い原因です。このライターのシナリオは、どうやら私には無理みたいです。
 
ただ開き直って抜きゲーとして見るのは”有”な気がします。
※以下はネタバレ有感想です。

感想(ネタバレ有)

■ルチア=ヴァリニャーノ

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親への忘却に対するアクションは、彼女の反応が一番”優しさ”を感じて好きです。自分のために泣いてくれるってのは、実は一番慰めになるのかもしれませんね。自分のギフトに恐れを持っていませんし、”強く優しい”女の子だと思います。
 
個人的に青い海が似合う青い少女に、ちょっと思い入れがあります。そういったこともあり、本作では一番お気に入りのヒロインです。
 
シナリオに関しては、プレイ中は色々予想しながらだったので、それなりに楽しかったです。神言の代償が適当なことは、今後に期待して無視しました。羨ましいですね…今後を”知らない”頃の自分が。
 

■橘 シャロン

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存在がまずエッチ。正直立ち絵の時点からヤバい。昨今のトレンドを抑えた逸脱なキャラデザです。ルートに入ると主人公が少し気持ち悪くなりますが、あのムチプリボディと煽るような仕草の前で、青い衝動を抑えられないのも無理はないです。
 
シナリオとしては一番面白いルートでした。世界の危機、葬者連盟、■■の消滅、正義の味方と心踊るワードが出てくる上に、ギフトと恋心を天秤にかけて揺れる、シャロちゃんの葛藤は非常によかったです。
 
まぁここで一番重要なのは、トロッコ問題とは”選択問題”であり、その解答に”自分を犠牲にする”は無いということですね。
 

■りな

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このルートは最初から”臆病さ”に焦点が当たっているので、結構期待していました。事実母親とのやりとりで、自分を侮蔑する行為が、自分を好きでいてくれる相手を侮蔑する行為と同義である。この学びに気づけたのは良かったです。まぁこの学びは特に活かされないんですけどね。
 
りりなの時に本に入ってから、最後に主人公の元に戻ってくるまでの流れは、2人のギフトを照らし合わせると筋道が通ってて良い感じに見えますが、まろと融合した理由が意味不明なのでやっぱりダメです。これもし分かる人がいたら教えてください。
 
個人的にはりなは猫耳が無いほうが可愛いです。初見ではあまりの可愛さにビビりました。ケモ耳は無いほうがいいと言うのは個人的には衝撃です。新世界の扉が開いた感じがしました。
 

■御厨 恋

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「クローズ 恋 the ラジオ」は私も好きだったので、彼女の人望が感じられる、花火大会や鬼ごっこは中々良かったです。破壊の恐怖の反転からくる明るさであったとしても、人を元気にする明るさを持っていることを疑うことはありません。
 
ですが逆の「獣」としての破壊を恐れる恐怖の感情が全く伝わってきません。実際破壊の規模も碌に描写がないので、全くその恐怖に共感ができません。描写不足の一番の被害者です。
 

■True

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<優しさの使い方>
本作において”臆病さ”と”優しさ”は明確に区別されています。本作の主人公である祈は、前者であったと言い切れます。にも関わらずヒロインが彼に惚れたのは歪な理由からきていると思っています。
 
ヒロイン全員が、強大すぎるギフトに恐れ、自分の運命を縛られています。友人枠たる黒屋もこれに該当します。だからこそ自分の運命を受け入れ、他人を怖がらず受け入れてくれる彼を好ましく思うというのは理解できます。
 
ですが祈は”審判者”を”知らない”ので、その力の恐怖を知りません。そして流されるまま”忘れられる”ので、他人を怖がる理由がないだけです。明日の自分を違う自分にできるのですから当然ですね。
 
これのどこが”優しさ”なものですか。ただ”忘れられる”おかげで自分に責任を持たなくていいだけです。こんな悪質な形の”優しさ”を惚れる理由に使うとか、正直ライターの品性を疑います。下劣にも程がある。
 

<トロッコ問題>

作中でもたびたび出てきましたが、トロッコ問題とはどちらか一つを選ぶ問題です。どちらかを犠牲にすることを選ぶ問題です。ですがこの作品の主人公は、否定することはあれど、選ぶことはしていません。
 
選択していたのはいつだってヒロインやもう一人の自分です。片方を否定したからもう片方を選んだことにはなりません。この作品で言うなら”恋の死”も”世界の破壊”もどちらも選んでいません。ついでに”自殺”は”恋の死”なので責任逃れもできません。
 
だから否が応でも”選択”はあると思っていたのですが、なぜか選ばなくていい第3の道が生えました。別に自分でそこに至ったのならいいのですが、それですら天使であるもう一人の自分の提案じゃないですか。
 
少なくとも私は、彼から責任を負うという”優しさ”を感じることができませんでした。

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