権謀術数渦巻く監獄で、人を知り己を知るお話。
強い個性と怒涛の展開は流石だが、粗が気にならないと言えば嘘になる。
※後半はネタバレ有
強い個性と怒涛の展開は流石だが、粗が気にならないと言えば嘘になる。
※後半はネタバレ有
<実攻略順>
ノア → 妙花 → 千咲都 → GRAND(固定)
ノア → 妙花 → 千咲都 → GRAND(固定)
<推奨攻略順>
ノア → 妙花 → 千咲都 → GRAND(固定)
※好み優先でいいですが、ノアは最初か最後がいいと思います。
ノア → 妙花 → 千咲都 → GRAND(固定)
※好み優先でいいですが、ノアは最初か最後がいいと思います。
感想(概要)
〇数多の個性的なキャラクター達
よくもまあこれだけインパクトのあるキャラクターを作れるなと感心します。手を変え品を変え次から次へとユニークなキャラクターが現れるので、落ち着く時間もありません。序盤は次々と出てくる”強者”に興奮しまくりでした。
よくもまあこれだけインパクトのあるキャラクターを作れるなと感心します。手を変え品を変え次から次へとユニークなキャラクターが現れるので、落ち着く時間もありません。序盤は次々と出てくる”強者”に興奮しまくりでした。
〇会話のキレとテンポの良さ
下ネタ、パロネタの乱打がすごいです。是非はともかくとしてこのメーカーの味ですね。また今回取り入れられた、横で別のキャラが喋ってる手法は面白い試みですし、会話の密度が上がっていい感じでした。今後も取り入れてほしいですね。
下ネタ、パロネタの乱打がすごいです。是非はともかくとしてこのメーカーの味ですね。また今回取り入れられた、横で別のキャラが喋ってる手法は面白い試みですし、会話の密度が上がっていい感じでした。今後も取り入れてほしいですね。
△異なる陣営での知恵比べ
ルートによって敵味方が異なる知能戦が本作の醍醐味だと思います。複数ルートをまたいで、初めてキャラクターの全体像が掴めるようになっているのは面白かったです。ただ知能戦としてみると、ちょっと無理があるなと思う展開が些か多かったです。
ルートによって敵味方が異なる知能戦が本作の醍醐味だと思います。複数ルートをまたいで、初めてキャラクターの全体像が掴めるようになっているのは面白かったです。ただ知能戦としてみると、ちょっと無理があるなと思う展開が些か多かったです。
×GRANDルートの粗雑さ
個別ルートも「ん?」と思う点がままありますが、GRANDルートはちょっと無視できないレベルで展開が強引ですね。後半の展開は正直困惑することもあったので、もう少し道理を通した展開にしてほしかったですね。
個別ルートも「ん?」と思う点がままありますが、GRANDルートはちょっと無視できないレベルで展開が強引ですね。後半の展開は正直困惑することもあったので、もう少し道理を通した展開にしてほしかったですね。
まとめ
良くも悪くも「ぬきたし」を作ったメーカーの作品だなと思います。体験版やって、あの薬キメてるような語彙センスと、ハイテンポな会話の流れが合うなら、楽しめるとは思います。なんだかんだ思わず読み進めてしまう面白さはあります。
ただ強引な箇所も多いので、知恵比べを過度に期待すると、期待外れになるかもしれません。私は結構ひっかる箇所がありました。キャラクターの面白さを楽しむのがいいと思います。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
■共通
3つの知能戦はいずれも楽しめましたが、一番面白かったのはエロデューサー戦ですね。
シャバでは簡単に手に入るものを、創意工夫を凝らして作るっていうのが”刑務所モノ”って感じがしていいです。これは千咲都ルートでも出てきましたが、そっちも良かったです。
■紅林 ノア
凡人が天才を教育するなど到底不可能です。さらに甘やかすだけの毒親なので、そりゃまともな倫理観なんて身につかないでしょう。トンビが鷹を産んでも、碌なことにならないですね。真人間な姉に依存するのも仕方ない気はします。
そんな彼女が自分の過ちに気づき、偏執なしで姉のような善人は、幸福でなければならないと思えるようになった、このルートはかなり好みだったりします。でもこのルートの主役は姉なんですよね。
■波多江 妙花
そもそもこのルート自体、パロネタ乱打と樹里亜というパワーカードで誤魔化しているように感じます。別の自分という共通点を生かせてない、GRANDの”たえ会議”で語られる本音も出てこないので、妙花ルートという感じがしないんですよね。
<H>も洗脳の持続性が弱い特性上、シャバに出たやつに効果が残ってるのはオカシイ気がしますし、ガソリン被ってる奴がマッチ使うこと自体リスクしかないだろとか、なんか色々気になっちゃうルートでした。
■千咲都(黒鐘 伊栖未)

ルート単体では一番好きです。何より伊栖未ちゃんが凄く可愛い。恥じらう姿が素直に可愛くて最高です。やっと敵役にキャラ負けしていないヒロインがでて感動しました。なんでこんな当たり前のことで喜ばなきゃいかんのだろう…
唯一柊一郎がカッコよく見えたルートでもあります。本人の気質も相まって、まったく感情移入できない主人公でしたが、ヒロインのために全てを投げ捨てる様は、流石に心が滾ります。「こういうのでいいんだよ!」って感じでした。
そして最後に構成される2人だけの理想郷。存在が秘匿されている幻のプリズンにそれがあるというのも上手いです。ユートピア(理想郷)の語源はウトポス(どこにも存在しない場所)ですからね。これ以上ふさわしい場所もないでしょう。
ただ伊栖未の髪の色変更の理由ぐらい用意してほしかったですね。メインヒロインの髪色って軽視していいものとは違うと思うんですがね…
個別3ルートの上っ面を雑にまとめて。なんか「これ熱いだろ?」な展開を加えて、最後にショーシャンクごっこをしているルートです。申し訳ありませんが、本ルートに関しては褒める言葉を私は持っていません。
多少フォローするなら水城所長の”性犯罪は遺伝する”は、研究として結果があるらしいです。まぁそれを0か1で決めつけるのは無理がありますし、どうやって犯罪係数を認めさせたか皆目見当もつきません。
あまり関係のない囚人まで助けてくれたり、監禁で体力ボロボロの状態で脱獄は無理だろとか、そういう粗探しばっかりしちゃうので、このルートについて語るのは終わりにします。
感想(看守長)
■ソフィーヤ=シコレンコ
それでも活路を見出し刑務官になった後、理想を打ち砕かれて労基ガン無視のブラック職場で働かされる。これでなんで折れてないのこの人?
さらに彼女の凄いところは”正義の暴力”の甘美を知りながら、それを余程のことがない限り制御できることです。もし道理というものが存在するなら、ノアの言うように、報われなければいけない人です。
それが成就される元受刑者との語らいは、本作の中でも屈指で好きなシーンです。報われるべき人が報われる光景は、いつ見てもいいものです。
だから便利キャラとして使われてるのは見てて気分が悪いんですよね。貧乏くじばっかり引いているのを見て愉快にはなれないです。
■夕顔 葉月
本人は”絶対に勝てる勝負しかしない”と言ってますが、いざ勝負ことになるとリスクも取ってルール内で勝負をしてれる誠実さがあります。それに賃金関係にはガチってくれるので、彼女自身が思うほど嫌われてない上司だと思います。
個人的には伊栖未への恐怖心は2つあると思っています。ひとつは作中でも名言されている暗闇への過剰恐怖、そしてもうひとつは親を殺す一線を超えられることです。
娘に当たり屋させてあげく希血を売るような屑親でも捨てられない彼女にとって、その一線は超えられることは理解の外でしょう。過剰に伊栖未を恐れるのもわかります。妙花ルートではその辺の誤解が溶けたから、和解できたんでしょうね。
血の繋がりを捨てられない、怖いものは怖い。そういう人らしい弱さを持っている葉月ちゃんが私は好きですよ。
■我妻 樹里亜

本作で一番好きなキャラクターです。妙花ルートは終始彼女の思考を追っていましたが、打ってくる手がこと如く読めない上に、先見性、大胆さ、用意周到さ、どれをとっても見事。その手練手管には惚れざるを得ません。
彼女は幸せを実感できないらしいです、それはつまり不幸せも実感できないということになります、幸不幸は所詮ベクトルの違いでしかないのですから。そんな世界はちょっと想像ができないですね。彼女曰く「色」がないらしいですが…
そんな世界で「笑顔」だけが感じられ、「色」をくれた。ならそれを欲しがるのは当然といえば当然です。皆が笑顔でいられるユートピアのような世界でないと、彼女は生きる意味そのものがないのでしょう。
こうは語りましたが正直、殆ど彼女を理解できてません。だからこそ凄くそそられますし、その幸福も願います。ですが悲しいことに、彼女が主観的な幸福を得られるのは不可能でしょう。彼女が誰かの「笑顔」に、特別な感情を抱ければ話は別ですが…
そういったお話があるなら是非読んでみたいです。彼女にとって「誰かの笑顔」だけが特別になるなら…まぁウトポスな物語ですね。
コメント