吹雪く時期、輪廻の世界で起こる事件とその秘密。
文章に込められた想いが力強く伝わってくるSF。
※後半はネタバレ有
文章に込められた想いが力強く伝わってくるSF。
※後半はネタバレ有
前半にBAD直通選択肢はありますが1本道です。
感想(概要)
×苦の序盤
本当に中身のない会話、鳴き声のような擬音の多発、連打されるエッチシーンのせいで狂う話のテンポ。全部しっかり読んで聞いた人は凄いです。割と狂ってます。
本当に中身のない会話、鳴き声のような擬音の多発、連打されるエッチシーンのせいで狂う話のテンポ。全部しっかり読んで聞いた人は凄いです。割と狂ってます。
△推理要素
作中の事件に推理要素で期待すると憤死します。これジャンルがミステリーじゃないので。ですがホワイダニット(何故事件が発生したか)だけは、推理しがいがあるかなと思います。実際やっていて楽しかったです。
作中の事件に推理要素で期待すると憤死します。これジャンルがミステリーじゃないので。ですがホワイダニット(何故事件が発生したか)だけは、推理しがいがあるかなと思います。実際やっていて楽しかったです。
〇作品に込められた想い
本作の真骨頂は世界の真実が明らかになる後半にあります。ライターの渡邊氏の主張が、SF四季シリーズと呼ばれる、氏の作品群の中でも特に強く丁寧に描かれていると感じました。
本作の真骨頂は世界の真実が明らかになる後半にあります。ライターの渡邊氏の主張が、SF四季シリーズと呼ばれる、氏の作品群の中でも特に強く丁寧に描かれていると感じました。
まとめ
見どころとなる後半を楽しむには、テンポの悪い前半を突破しなければならないという致命的な欠点がありますが、作品を通して伝えたいことがしっかりと描写されているのは、とても良いと思います。
個人的には”SF”というジャンルにおいて最も重要なことは、未知の可能性に心が踊るかどうかだと思っています。要は「センス・オブ・ワンダー」を感じたかどうかです。
本作は、その点非常に良かったです。個人的にはシリーズの中では一番です。希望の未来。それを感じさせてくれる本作は好きです。ただ、良くも悪くもライターの我が強いので、人を選ぶ作品ではありますね。
※以下はネタバレ有感想です。
感想(ネタバレ有)
■序盤(事件発生まで)

百合のエッチシーンは絵としてみるには綺麗でいいのですが、文章として読むと厳しいものがあります。やっぱチンコがあってナンボだなと痛感したものです。ただ公開凌辱に関しては例外です。あれは女同士を逆手に取っていて上手いです。
キャラクターだと序盤はしほんちゃんが印象的です。探偵を必要以上に押してくるのは、何かあるに決まっているのに、頭の緩い女ムーブが極まっていて、本気で何も考えてなさそうに見えるのが凄いです。
世界観としては、リンカーネーションの0→18→-18のサイクルが気に入っていますね。ジャネーの法則に則るとだいたい一生分なのが、システムとして美しく感じました。
■探偵編

ぶっちゃけ探偵編も大分読むのが辛かったです。いくつか理由がありますが、夕陽という考える前に口が動く主人公が、探偵主観を務めたのが最大の要因です。何度「もう少し考えてから喋れや」と思ったか分かんないくらいです。
その上考えているよう考えてなかったり、目的(頭の発見)を忘れて目の前の事象に囚われたりとかなり残念な思考回路です。実際事件を進めていたのは、水名、ユカリ、会長で、夕陽はそれに乗っかていただけです。
まぁ上で思ったことはたいたい作中で示唆されていたことですし、後の展開に必要な設定なのも納得はします。ですが読むのが辛かったのは事実です。
ですがホワイダニットの構築は良かったです。ユカリの「お前は合格だろう」の意味を考えるまで、“男を認めることが目的”に気づきませんでした。情報はかなりあったので、ここまで気づくのに遅れたのは、結構本気で悔しかったです。
■真相解明

この正体が針という設定は好きです。とにかく人類が存在したことを遺す為に、手段を選んでない感じが最高に良いです。存在するために遮二無二足掻く。これこそ人類ですね。
さらにこの男性器顕現プログラムの設定も気に入ってます。私が針を作る側で女性だけの群れを作るとしたら必ず入れるでしょうね。入れた方が生存確率が高くなる最善手ですから。
この”人は女性器からスタートする”という性質を利用しない方が変です。女の群れにのみ許される、倫理に反する所業。故に有事の際にしか発動しない秘密のシステムってのがいいですね。
<空丘島 夕陽>

世界の正体を知った今となっては、夕陽はただの被害者です。自分に自信がない夕陽にとって、しほんは恋人になってくれた上に、研究対象として自分の存在に意味を与えてくれた救世主のような存在でしょう。
ならば、しほんの喪失はアイデンティティーの喪失と同義すらいえます。そもそも凡人である夕陽にとって、群れの性質を変化させる願いは負荷が強すぎます。この喪失と過負荷でメサイアコンプレックスになるのも無理はありません。
それでも誰かのために生き、幸せであれという願いの中に存在することを結論した彼を、軽んじることなどできません。ここに彼の評価上方修正します。
空丘島夕陽の意識はどこか英雄に似た強く美しいものです。
■世代交代後
本作最大の見どころは“祈りのチェス”これに他なりません。為すべきことを為した後に出来ることは祈ることだけです。故に祈りとは究極的行為なのです。
夕陽を知るからこそ、そのチェスが“祈り”であることを理解できます。また彼の意思が世代をまたいでも生き続けていることも実感できる。プレイヤー視点から見た演出として、これ以上ない素晴らしいものです。
そして針は願われた想いを遂行し約束の星にたどり着く。未知の可能性が結実する瞬間を味わえることこそSF作品の醍醐味です。ここで願いが成就するからこそ、この物語は美しく完成するのです。
最後に祈りへの”応え”について語りたいです。それは”感謝”という無条件の肯定「ありがとう」です。あまり第四の壁に触れる行為は好きじゃないんですが、それでも最後に応えてもらえて嬉しかったです。
彼らの旅路が成功であることを私がここに記します。
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