プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

ハッピーライヴ ショウアップ! 感想

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制作 :FAVORITE(公式サイト) 
ランク:B 
 
何者でもないものが何者かに成るためのお話。
表現者について必要なものに追及した意欲作。
※後半ネタバレ有

はじめに

FAVORITEの作品は初プレイになります。
 

システム

△視点変更が分かり難い
地の文から各キャラクターの会話文が全て同じ色で統一されているので、視点が変更されたことに気づけずに戸惑うことがありました。視点変更の際<(キャラクター名) View>みたいな感じで表示してほしかったです。
 
×ジャンプ機能がお粗末
日毎に止まる、選択肢差分終了時に止まる、止まった時背景真っ黒で、選択肢のみが表示され、ログからも情報が拾えない。ここまでくると真っ当に機能しているとはいえません。
 

攻略順

<実攻略順>
カーレンティア → ペチカ → ルー → クラリス → ソフィア → ???(ソフィア後解放)

<推奨攻略順>
ソフィアルートが事実上のグランドルートですので最後(???を除く)を推奨します。
 

感想(概要)

〇「好きこそ物の上手なれ」
表現者にとって大切なこととしてこの言葉が、作品に根付いると感じました。終始作品の思想として一貫していているのも良いところですが、ヒロイン毎に異なる角度からアプローチしているのも、シナリオに対するライターの姿勢として好ましかったです。
 
〇丁寧かつ良質な共通
仲間を集め、関係性を深め仲良くなり、一つの作品をつくりあげる。共通ルートはこれが丁寧かつ濃く描かれていて良かったです。主人公を介さないヒロインどうしの関係性もキチンとしているのも好ポイントです。
 
×挫折した主人公
その設定から踏み込む勇気のなさ、思慮の浅さに苛立ちを覚えることもありました。共感さえできれば独自の魅力が出てくると思うのですが、過去描写が極端に少ないため、残念ながら私は好きになれませんでした。ですがこういった設定の主人公に挑戦してきたこと自体は評価したいです。
 
△量より質を重視したエッチシーン
エロ薄だと伺っていたのですが寧ろエロ濃です。テキストも抜かせるためのものになっており、さらにシチュ、構図が凝っていて役割が持てるシーンが多かったです。ただ流石に平均1人2回は少ないです。個人的にはあと1人1回増えれば嬉しいなと思っています。
 

まとめ

私は作品のメッセージ性というものを重視する傾向にあるのですが、本作からはそれが良く伝わってきて良かったです。合うかどうか不安なメーカでしたが、終わってみると買ってよかったなと思います。
 
ただ、上述のシステム周りの不満、主人公の掘り下げの無さ、そして隠し要素である???の扱いには大変不満があります。特にシステム周りは、本当にどうにかして欲しいですね。流石に色々と厳しいです。
 
※以下はネタバレ有感想です。
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

■カーレンティア・ヴェリーベル

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陽気で好奇心旺盛なお嬢様。カーチャの愛称で呼ばれることを好む。封じ込められいた本性を解放出来て、仲間内で多分一番得をした人。
 
彼女はこの年で表現者としての高みに到達している真正の化物です。故に表現者としてアキトからカーチャに与えられるものってないのですよね。
 
恋愛の感情を与えているといえばそうかもしれませんが、カーチャの方が能動的に動いているので、カーチャが取りに行っているという感覚の方が近く感じます。
 
また、他のヒロインはともかくカーチャがアキトを好きになる理由が弱い気がします。共通でもアキトとカーチャ2人だけの絡みってのは少なかったので、それが響いている気がしますね。
 
立ち絵もない事務員さんが謎の無双をしたり、終わり方もカーチャの天賦の才で解決できるのでOKと正直アレな結論なので、正直このルートはあまり好きではないです。
 

■ペチカ・モニカ

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パンクな見た目とは裏腹に優しくて気が利く先輩。困ったときは大体ペチカさんがなんとかしてくれるので頼りになる。
 
ソフィアルートを除いて一番完成度が高いルートだと思います。エレナとの確執の解消の流れも良いですし、何よりこのルート主人公の独断でヒロインのために動いているってのが私の趣味にあっていいです。
 
裁縫という新たな道を見つけられたペチカのように、誰しもチャンスがあるものという、持たざるものに希望を与えるオチも好きです。見つかった見つかってないの差はありますが、ソフィアルートのペチカも同じことを言っていましたね。
 
エッチシーンについてなのですが、シーン1の構図は非常に神がかっています。その気は無かったのに使わされました。思ったよりやりますねFAVORITEさん。
 

■ルー・マオ

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底抜けに明るい生粋のパフォーマー。どんなに下手でもまず見てもらうっていうポリシーは成長できる人間のそれですね。
 
感覚派故にコミュニケーション難だと思っていましたが、実態はその逆で、コミュニケーション難が故に感覚派にならざるをえなくて、出来る芸を磨くしか道がなかった。このルーの設定は正直凄いです。驚かされました。
 
このルートは唯一アキトが表現の楽しさを知り、魔法使いに戻るルートなのですよね。表現者という括りにおいてルーにとってはプラスにはなってないのですが、変わりに彼女が欲しくてやまなかった普通(恋する心)を貰えています。
 
互いの与えた影響が丁寧に描かれていて個人的には好きですが、苦悩で遅々としている話にもなっちゃてるので、人によっては退屈かもしれませんね。
 
このルートのアキト君、恋人同士なら普通って言ってなんとかセックスに持ち込もうとしている必死さが、青少年らしくて嫌いじゃないよ。
 

■クラリス・クローニャ

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真面目でグループ屈指の常識人なバレリーナ。辛さを感じつつもただ好きなことに夢中で頑張れる、この点が人間的に好きで本作では一番のお気に入りです。
 
最初は男性恐怖症からマイナスのスタートだったのに、関わっていくうちに段々と打ち解け、スランプを克服するアドバイスを貰いバレエの楽しさを思い出させてくれた。共通の段階で好きになる過程が完璧に描かれています。素晴らしいですね。
 
他のルートでフラれる度に失恋描写入りますし、ルート内でも唯一列車の中でくっつかず、恋心を増幅させていく様子が描かれており、恋愛描写がこれでもかというほど濃密に描かれています。その恋が実る時の爆発的なカタルシスに期待に胸が高鳴ります。
 
ですが結論からいいますと本ルートには失望しました。クラリスが堪らずキスしてしまうまではいいです。ですがそこまでさせたのですから、それに報いるのが男のすることでしょう。
 
にも関わらずカーチャに追い返され、クラリスから告白させる。情けないにも程があります。”好きにならない”を守ろうとしたとか、この局面においてはただの言い訳です。
 
まぁ不満の話はここまでにしてエッチシーンについて話ましょう、2シーンとも非常に良かったです。1シーン目のI字開脚は独自性も高くセンスの良さを感じました。2シーン目の鏡前セックスは私の好物です。最高ですね。
 

■ソフィア・トゥーリナ

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恥ずかしがり屋でアニメ好きな遅咲きの魔法使い。こんなに好意全開なんだから最初に選びたくなりますよね。自分も危なかったです。
 
アキトからの直接の好意を受けても、自分など釣り合っていないと思うほど自己評価の低さが極まっています。そんな彼女に”お前が好きな俺を受け入れろ”といったアキトくんは正直カッコよかったです。その後のエッチシーン1のソフィアの大好きは、ちんちんではなく胸にくるものがありました。
 
彼女のルートで一番大切な箇所は魔法使いになる理由について考えるところだと思っています。事実再度の挫折を含む等長尺を取っていますが、それほどに重要な箇所なのです。彼女は”アキトのため”という”他人のために”頑張るという意識でした。それではいずれ挫折します。
 
別に頑張る理由に他人を使ってもいいのですが、彼女の根源はそうではなく、”自分が”憧れたアキトのような魔法使いになりたいだからです。それを意識した後、カーチャと共にライヴした”私たちのハッピーライヴ”は大変素晴らしかったです。
 
その後、アキトに魔法使いになりたいと口にするシーンは本作で一番好きなシーンです。ここで彼女は真に表現者となり、何者かになれたのです。ソフィアルートを最後に勧める理由はこのシーンがあまりにも締めくくりとして相応しいからです。
 
最後に他のヒロインが持っていなくて、彼女だけが持っているものを語りたいです。それは幾度となく挫けた彼女だからこそ持てる、誰かの挫折を理解してあげられること。だからこそ彼女は優しくて、アキトの”逃げ出した勇気”を肯定できるのです。ユニゾン現象はただのキッカケに過ぎません。
 

■ミヤビ・アサヒナ

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このルート正直無かった方がよかったです。ソフィアルート比べると人格矯正されてるレベルで別人ですし、何の描写もなく好きと言われて、デートして、セックスして終わり。誰がこれで満足するんですか?
 
でもミヤビとのデートは楽しかったんですよね。キャラクター造形も凝ってますし、多分私この娘のこと好きです。ちゃんと描写してくれればお気に入りになれたかもしれません。そう思うと口惜しいです。
 
ていうか次作へのヒキですよねこのルート。まぁ私の勝手な妄想かもしれませんが…。もしそうならメーカーの創作姿勢に疑問を持ちます。次作前提ならそう告知すべきですし、基本的には1作で完結させるべきです。

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