プレイ中:幻想牢獄のカレイドスコープ2

月の彼方で逢いましょう 感想

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制作 :tone work’s(公式サイト) 
ランク:A 
月を象徴とした過去繋がるSFと働く大人の一幕。
アフター編の地に足の付いた世界観が魅力的。
※後半ネタバレあり
フルコンプに50時間かかりました。読むのが遅い方ですがそれを差し引いても長い作品です。
 

攻略順

<実攻略順>
灯華 → うぐいす → 雨音(ラスト)
<推奨攻略順>
締めを雨音にすると綺麗に終われます。サブヒロインはどのタイミングでもいいと思います。私は最初に纏めてやりました。

感想(概要)

〇結ばれるまでの過程が丁寧
ヒロインとの関係を深めていく過程がとても丁寧で、共に時に楽しく過ごし、時に悩みや苦難を共有し、1歩1歩距離を縮まっていくのを感じることができました。落ち着いたテキストも相まって、清廉とした作風に仕上がっています。
×扱いきれていないSF要素
メインヒロインには、「過去と繋がりやり直せるとしたら?」というテーマでSF要素が絡んできます。ただ上手く扱えていたのは雨音ルートぐらいで、他ルートでは振り回されていたり、持て余していた印象があります。
〇社会人物として良作
サブヒロインにはSF要素は絡まず、構成もシンプルですが、それ故にどのルートも纏まっており完成度が高いです。社会人物自体あまりやらないので、目新しさもあって良かったです。ただ、仕事を頑張る主人公が眩しくて、リアルと比較して死にそうになりました。

まとめ

SF要素もギミックのひとつ程度に考えるのが良さげです。正直割とガチ目なものを期待してしまったので、その点は残念でしたが、社会人ものとしては期待以上でしたので結構満足しています。もっと社会人を題材とした作品は増えてほしいですね。
メインヒロインのルートはSF要素を入れてやや型破りでした。雨音以外の2人のルートは、個人的な趣味から外れた内容ではありましたが、こういった挑戦的な構成に臨んだ姿勢は高く評価したいです。
※以下ネタバレ各ルート感想
 
 
 
 
 
 
 

感想(ネタバレ有)

■新谷 灯華

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猫のような性格という表現が相応しい少女。自由奔放でこちらを引っかき回すような女の子が気になっていく展開は、分からなくはないですし嫌いじゃありません。
シナリオの構成上、灯華にどれだけ好意を抱けるかがポイントなのですが、下記のようにあの手この手で試されます。
  • アフターの灯華は最後の最後まででてこない
  • 読み手の視点はアフターの主人公なのに関係を持つのは過去の主人公
  • 彼女の生い立ちが開示されるのも大分後ろ
結局プレイ時は好意を保てず、シナリオとの温度差が酷いことになりました。ただ逆に言えば好意を抱けてさえいればどのギミックも効果的な気はするので、彼女の心の内がもっと早く分かれば、それだけで大分違ったのではないかと思います。

■日紫喜 うぐいす

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物静かで出来るオーラを持っているあこがれの先輩。本で得た恋人らしいことを実勢してくれるのが可愛らしいです。あれほど欲した「普通」を与えてくれる恋人を持てた彼女の心のうちは、想像も及ばない程の多好感で満ちているのでしょうね。
このルートは最後の過去改変をどう捉えるかが全てと言えます。死別からの立ち直りで綺麗に纏まっているだけに評価が分かれるところです。ちなみにこのオチは私の宗教感から許すことは出来ません。
過去改変を躊躇なく選んだ展開については分からなくはないです。「自分のせいでうぐいすが死んだ」という事実はそれほどまでに辛かったのでしょう。
ですがそんなエゴによって彼女との「縁」を破壊して過去改変した以上、その「縁」が再度結ばれることはあってはならないのです。それは自分だけ犠牲を払っていないのと同じなのですから。

■佐倉 雨音

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IT強者で自堕落なネトゲ好きの中二病患者と記号的な属性が多く、まるでどっかのイチャラブゲーから出張してきたみたいですね。ベッタリ引っ付いてきて、ダーリン呼びをしてくれるので最高です。
このルートでは家族愛がフィーチャされています。その中でも特に心に残ったのはポール・グレイの娘を思いやる親心です。妻と死別し、娘を愛せず、娘から恨まれようとも未来の娘の幸せを保証するために、エンデュミオンを作り上げた彼の心の内を想うと自然と目頭が熱くなります。
特に最後のパスワードが主人公の名前だったのは、雨音が両親に真に愛されていた演出として最高だったと思います。また、歴史は変えるべきではないとの主張が何度も出てきており、それは雨音のスタンスにもなっています。
そんな彼女であってもいざ両親と話せると想いを塞き止めることはできないあたり、過去をやり直せるという欲求は、抗がえがたいものだというメッセージ性を感じます。この辺は人間らしい弱さを感じて気に入っています。
タイトルの「月の彼方で逢いましょう」の回収も見事であり、全ルートの中で最も気に入っているルートです。

■倉橋 聖衣良

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主人公を慕ってくれる従妹の女の子。成長した彼女と記憶にある小さい彼女のギャップにドギマギという本作の2部構成のギミックを存分に活かしたヒロインです。
ただ、そのギミックを活かしてイチャイチャしていただけだったので、何かしらアフター編にハードル的なものが欲しかったです。

■岬 栞菜

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少女漫画家なのに恋愛経験の無い初心な女性。所謂ネガティブおっぱい。白い女は大体ヒロイン強度が高い
恋愛経験の無さからリアリティが出せず苦悩する少女漫画家と新人編集の恋物語でおおよそ予想できる展開がそのまま出てくる。ロマンチックな告白といい、あまりにも右ストレートで真っすぐな展開で好き。

■松宮 霧子

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やり手のキャリアウーマンな美人上司。この見た目で35歳独身とかマジか。
主人公に惹かれつつも年齢差がどうしても怖くなってしまい、別れを切り出すあたり年上ならではの面倒くささが光ります。こういう意識を主人公の大胆な行動で破壊するのは痛快ですね。

■月ヶ洞 きらり

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才気煥発で豪放磊落な美人作家。すぐれた作家は大体どこかおかしいを体現している。
男性経験豊富で派手なお姉さんなのですが、意外とおじいちゃんおばあちゃん子で家庭的でというギャップもあってか、作家としてだけではなく女性としても惹かれていく内容になっています。
また、他ルート(特にうぐいす)では、アドバイザー的な役割をしており、その辺も相まって頼りになる大人の女性としてキャラが立っていたと思います。

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